漢字の大海

南橘北枳

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houji

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【南橘北枳】(ナンキツホクキ)

意味

人間は環境によって、よくなったり悪くなったりするということ。

故事

■登場人物
  • 晏嬰(アンエイ):斉の政治家。霊王に謁見しに来た。
  • 霊王(レイオウ):楚の君主。斉と晏嬰を侮っている。

(晏嬰が霊王に謁見中に、役人が斉出身の罪人を捕まえてきた場面)

役人「霊王様!罪人を捉えて参りました!」

霊王「その者は何者なのだね?」

役人「斉の出身の泥棒です」

霊王「(あざ笑いながら)斉の者は礼儀正しいのではなかったのかね?
   それとも、斉の者は盗みが性分なのかね。」

晏嬰「王は江南に生える橘(たちばな)という高級な樹を見たことがありますか?
   この木を江北に植えると橘にはならず、棘のある枳(からたち)になります。
   これは土と水が違うためです。
   斉の人も斉にいれば盗みはしません。しかし、楚に来れば盗みをします。
   何故でしょうか?それは、楚の風土のせいでございましょう。」

霊王「(い、言い返せない・・・)」

(出典:『韓詩外伝』 巻第十)

解説

原文を訓読したことわざとして、
「江南の橘江北に移されて枳となる」がある。

  • 備考
    • H23年度第2回漢検1級(五)四字熟語にて出題


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