チェルノシンポ、ルミャンツェフ氏

チェルノブイリ原発事故が教えたもの

アレクサンドル ルミャンツェフ教授
(ロシア連邦立小児血液腫瘍免疫研究センター長)

尊敬する中川原先生、非常に詳しく紹介していただきありがとうございました。チェルノブイリ原子力発電所の事故が起きてから25年間、子供を通して様々なことを見てきました。今までの仕事の成果をご紹介いたします。

今日ご紹介することは、ロシア連邦立小児血液腫瘍免疫研究センターだけのデータだけではございません。ロシア、ウクライナ、ベラルーシの研究グループの結果です。本日の資料ですが、私の資料以外に研究グループのメンバーが資料を送ってくれたので、その資料の一部を使っております。本日の講演内容としいたしましては、どのように病気が発生し、どのように病気が治っていくかというコンセプトです。

本題に入る前に、医師の方々もいると思いますが、一般の方々の為に一言申し上げたいことがございます。チェルノブイリ原発の爆発が起きました。その時に、多くの放射性物質が舞い上がりまして、高度1万メートルに達し、風に乗ってあちこちに散らばったわけでございます。この放射能は、その時の天候状況に応じて、あちこちに様々な分量で降下物として雨と一緒に降り注いだのです。この放射性物質について一部は南極まで到達しております。このような事故が起きたことで、この地域だけ汚染されたということはございません。

それともうひとつ、チェルノブイリ原発事故の場合、爆発で放射性物質が飛散されただけではなく、石棺ができるまで3か月間、ずっと放射性物質が出続けておりました。そして、放射性物質はあちこちに点として大量に、ホットスポットのような形で汚染をしたわけです。それは土壌を汚染したと同時に植物、森、多くを汚染しました。1986年の4月からです。放射性物質に人体が一番最初に侵されたのが、当然空中に飛散した放射性物質の吸収です。それに接触することによって。最初にそのようにして放射性物質に接したわけでございますが、そのあとは、中川原先生が仰ったように、別の形で放射性物質をさらに吸収し続けることになります。植物であったり、農作物であったり、それから牛、小動物。このような形で、そこに住んでいる人達、住んでいて、住んでいる人達、避難した人達、事故処理作業に参加した人達の家族、場合によっては全然遠い所に住んでいる人達でも、色々な形でチェルノブイリ事故による放射性物質の影響、そしてまた、その核種の蓄積を続けています。
そして、人々が放射性物質の影響を色々な形で受け続けています。それは、土地、空気、食品を経由してです。この放射性物質の測定どれくらい汚染されているのかという測定については、例えばある表面の線量から計算をして、どれだけ人体に影響を及ぼすのかというのは、あくまでも暫定的な計算式をもって、影響の度合いを国や学者や専門家がそういった形で計算しますと、大体において、全ては低線量、低い線量です。この線量はと言いますと、私達が病院の中でCTなどを行う。それと同じくらいの低い線量であるということもよく言われます。そして、チェルノブイリでもフクシマでも同じだと思いますけれど、主に放射性ヨウ素、放射性セシウムを測定しているはずです。
そういう測定をしてですね、これだけの放射線量があったから、これだけの病気が出るという直接的な因果関係は今のところ証明されておりません。

もう一つの問題。それはですね。人体の中で、チェルノブイリ事故で飛散した様々な放射性物質の中で、私達が主に測っているヨウ素、セシウムというのは、実際の放射性物質全体量のうちの約10%くらいでしかないのです。それ以外の残りの90%というのは、様々な放射性物質があって、その半減期は、ずっと長く、人類の生命が、一人一人の生命が続く限り残り続ける物が多いのです。

そして、課題があります。医者として、子供や女性や妊娠している人、大人の健康状態をどのようにきちんと評価するのか、この評価する方法。
それから二つ目、疾病が出た場合、疾病を定期的なものと遺伝的でないものと、どのように区分けして評価するか。
三つ目は、この放射性物質が今後与える様々な影響についてどういうレベルで調べるべきなのか、それは血液であったり、染色体レベルであったり、リンパ球など色々ありますが、どのようなミニマムの最低限の変化があった場合に、どれくらいの影響がでるのかという試みです。


それではスライドに入ります。(資料2)


ここにはですね。様々な子供のカテゴリー分け、グループ別に分けた表がありますが、これは直接的なチェルノブイリ事故の放射線の影響を受けた子供たちのデータです。その結果としては、今もって汚染地域に住んでいる子供達、避難勧告地域の30キロ圏内から避難した子供達、胎児の時に放射線を受けた人達、それからチェルノブイリ原発事故の除染作業をした大人から生まれた子供、被曝した子供、このようなカテゴリー分けをしております。
1991年まではソ連邦という一つの国がございましたので、子供たちに対する対策は全て一体化された形で行われていましたが、1991年にソ連邦が崩壊して、この研究プログラムは3つに分けられました。ウクライナ、ベラルーシ、ロシア。そして紹介するのはロシアの資料です。(資料3)


汚染地域の子供たちの数、こういうプロダクトの子供達が、色々な形で…チェルノブイリ原発事故と直接的に因果関係のある病気として甲状腺ガンが認められました。実際問題、甲状腺ガンはですね、一般の発生率が放射性ヨウ素の場合数十倍の影響が通常の場合と比較するとあります。ご覧のとおりですね。様々なレベルの放射性セシウムで汚染された地域と子供達の甲状腺ガンの発生率でありますけれど、1991年ごろから1995年の間に甲状腺ガンが沢山出てまいりました。すなわち、事故後5年から7年してガンが発生すると。その増加は2000年まで続きまして、その後2000年以降下がり始めておりますが、まだまだ事故前のレベルにはなっておりません。


ブリャンスク州というのがあるのですね。ロシア連邦の1地域でございますが、ベラルーシに接している所でございます。そこのデータでわかるとお
り、放射性ヨウ素のレベルの大きさによってですね甲状腺ガンの発生率が大きく変わってきます。放射性ヨウ素が高ければ高いほど甲状腺ガンが増えます。(資料4)


これはですね。過去25年間ロシア側の委員会でモニタリングした結果があります。(資料5)


小児甲状腺ガンの臨床及び疫学的な特徴的でございます。

  • まず、第一の特徴としては潜伏期間が5年であるということ。男の子と女の子で差がなくなってしまっている。普通であれば男の子方が優位性があるわけでございます。

  • 次に甲状腺ガンが発生しやすい被曝年齢では、3歳以下と15歳から18歳。ここにピークがございます。

  • 小児期及び成人期の疾病症状としては、ガン化が被曝後6年後から発生して13年後にピークを向かえる。そして、28年後も続いています。

  • 高分化型のがんの特徴です。濾胞がん、乳頭がん、髄溶がん、未分化がん

  • 多中心性の発育が見られます。そして、腫瘍被膜、血管への浸潤が見られます。血管内腫塞栓がありまして、それから特徴といたしまして、局所の転移及び遠隔転移がありました。


これは子供達の全ての疾病についての発生率でございますけれど、基本的には全部同じです。除染作業者の子供、30キロ圏内から避難した子供、汚染された地域に住んでいる子供についてもほとんど同じわけであります。ただ放射線の影響を比べると汚染地域の子供たちはですね、健康診断とか色々な形で調べますので、疾病率は少し高くでると思います。

先程みたのは、全ての病気についての疾病率でございますけれど、では悪性腫瘍これについてみますと、見て下さい。2つ目のグラフが非常に大きな棒があります。これは30キロ圏内から避難した子供達のものなんですね。なぜ、このように高くなるのか、当然、あの事故が起きてからですね。すぐに避難したわけではないのです。その月の月末になって、やっと状況が見えて、避難し始めた現象があります。結局、悪性腫瘍にだけですね。この地域の特性がありました。ほとんどが甲状腺ガンなのです。この20万人からなるモニタリングの結果からですね。小児白血病、それから大人の白血病を含めて、それが大きく伸びたという事例はありませんでした。(非被曝者甲状腺ガン0.4人/10万人、被曝者67.1人/10万人)

ここにですね。ロシアの先天性奇形と染色体異常について書いてありますけれど、これについてはですね。実を言いますとチェルノブイリ事故の前では、小児の奇形については、70例しかチェックしていなかったのですね。それが、チェルノブイリ事故が起きて、107の症例、奇形について、調べ始めておりますので、あくまでもこれは比較データであって、相対的なものであります。相対的なことしかわかりません。様々なフォーラム、そしてまた、小児科の医師が一同に介しますと、次のようなことを私達は協議しています。話し合っております。これは子供の染色体、細胞の解析の結果でございますけれど、リンパ球について色々と調べています。こういう中で見てみますと、特異性というのはですね感じられません。あくまでも、非特異的なものです。…環境染色体などこういう数値が出ています。

これはウクライナから貰った研究の結果ですが、ウクライナの私達の同僚が被曝家族を探し出して比較研究をいたしました。父親が原発事故の処理に直接関わって約100センチsv(1sv?)の被爆を受けた。母親は被曝していなくて、子供は二人いる。一人は事故前に生まれた。そして、一人は事故後に生まれたという家族を集めて比較研究しています。こういう家族と全く被曝していない家族をコントロールグループとした結果、様々な結合細胞の傷害が事故後に生まれた子供の方に多くでるということです。これでですね。染色体の異常について、どういう人達がグループ内で異常が見られるかというのが出ております。これは事故後生まれた子供、事故前に生まれた子供、父親、母親、全部比較したデータです。(除染作業者の子供は、従事前の子供に比べて4倍小奇形が発生する。)

これをみて下さい。染色体の調査結果でございますけれど、こういう形でですね。事故後に生まれた子供については、一般の子供に比べて5.6倍程染色体に異常を来しております。

そして、その染色体の異常によってですね。様々な病気の危険度が増しています。しかし、それの直接的な因果関係はまだ証明されていません。(欠失や転座の染色体異常、被曝した親の子供は、遺伝子異常を持ち、病気危険度が増す。親にない遺伝子バンドが5.6倍高く出現する。)
今度の資料はベラルーシの調査団から頂いたものです。ここで調べているのは、放射性物質を農作物や肉や魚など経由してどのくらい身体に吸収しているかということであります。この資料は2年前に貰いました。あの事故から22年後です。この調査結果が示しているとおり、汚染地域の子供のセシウム量が一般の子供達の圧倒的に多いです。(17%の子供が7000Bq/kgを超えている。Csの内部被曝の90%が90Bq/kg程度?)

これはですね。一つのマーカーとしてミトコンドリア。奇麗な写真が載っておりますけれど、こちらに書いてあるとおりこのような結果がありました。色々なレベルでですね。例えば心電図など全身レベルでの調査など色々な形で色々な異常が出ています。その中でセシウム量が圧倒的に多いということです。(6000Bq/kg以上のCsを受けた小児に重篤な変化)


これを見て下さい。(資料7)
ゴメリ州での甲状腺ガンの発生率なんですが、1990年からぐんと伸びまして2002年でそのレベルは下がっております。これはロシアのデータとは大分異なります。ロシアの甲状腺ガンの発生率は今もって事故前の水準に戻っておりません。けれど、ゴメリ州というのはチェルノブイリ原子力発電所にほとんど接している地域ですが、このようなデータになっております。甲状腺ガンがこのような形で沢山発生した主な理由というのは元々あの地域は、自然界にヨウ素が不足している地域だったんですね。そういう中で放射性ヨウ素が沢山降り注ぐことによって、甲状腺ガンが普通のヨウ素ではなくて放射性ヨウ素を吸収してしまったという結果がここに表れています。

ベラルーシで甲状腺ガンがどのように発生してきたか、これがこの数字です。表を見てわかるとおりですね。1986年に事故が起きて甲状腺ガンが本格的に出始めたのが1990年。その後ずっと伸びてきて、2010年はこのような数字になっております。


約80%、72.9%ですが、これ見てわかるとおりですね。(資料8)


子供達でも、これはですね。チェルノブイリ原発事故が起きた時の年齢別の甲状腺ガンの発生率なんですね。ということは約80%が14歳までということになります。
ここで出ているのはですね。実はベラルーシのデータですね。あちこちのデータを使って申し訳ないのですが、甲状腺ガン以外のガンの発生率については大きな差はほとんどありません。(資料9)


これが甲状腺ガンの発生率を地域別に見ているものですが、ベラルーシ、ウクライナ、そしてロシア。そして、一番発生率が高いのがですね。ロシア連邦内にありますブリャンスク州です。グリャンスク州だけ極端に大きくなっ
て、いまもって高い地域であります。(資料10)


これはブリャンスク州の胎盤及び母乳中のCs137を測定しました。1997年のデータですから事故後20年です。(資料11)


これは2003年にベラルーシで行われた調査ですが、これは、ゴメリ州の死んだ子供と成人の臓器をサンプリングいたしまして、その臓器の中にあるCs137の濃度を測りました。ご覧のとおり、子供の方が大人よりも圧倒的にCs137の吸収量が多くなっています。当然、水分代謝などが激しいことを示すわけですが、甲状腺が非常に高いレベルにあります。(資料12)


次に内部被曝の臨床及び臨床結果における特徴ですが(資料13、14)

  • 幼児と就学前児童におけるリンパ結節腫脹(偽リンパ節異常と形成不全)

  • 血液細胞フリーラジカルの異常;活性酸素の自然産生の増加、抗酸化メカ
ニズムの喪失

  • 機能的赤血球の病変が見られます;鉄欠乏性貧血;白血球、血小板生成の一過性の質及び量的変化を伴った再生不良性貧血などがあります。

  • 末梢血リンパ球の染色体不安定性の増加を伴うクロマチンの「病的活性化の兆候」

  • 非特異的エステラーゼ陽性血中リンパ球の15%以下の減少;PAS陽性大型顆粒を持つリンパ球数の4%以上の増加;PAS陽性顆粒と分散した非特異性エステラーゼ陽性の抗体産生細胞数の12%以上の増加

  • CD10、CD34、インターロイキン-2の受容体陽性の血中リンパ球の検出があります。
これは子供達の内部被曝の臨床及び臨床結果における兆候でございますけれど、子供というのはどうしても大人より頻繁に病気になります。絶えず成長しているからこそこういうことがあるのです。

では、ちょっと比較をしてみましょう。(資料15、16)実をいいますと、ロシア国内ではですね。フクシマ原発事故のことについては、あまり詳しいことを報道されておりません。ですから私達が知っているのは概略でしかないのですが、その中でわかっているのは、フクシマ原発で放出された放射性物質の量は、チェルノブイリの量を上回っているという情報であります。ただし、放射性物質の影響の中に占めるセシウムの割合というのは10%以下ということです。放射性物質を含む埃、雲がどういった形で広まっていったかというのはあくまでも計算ですよね。私達のウラジオストクにあります保健所から取得したデータによると、フクシマから放射性物質はウラジオストクまで到達していないという状況になります。事故がすぐに起きてから様々な公的措置が取られたと思うのです。
今回のフクシマ原発事故の放射線の影響を受けたのは200万人を超えると聞いております。そして、すぐに甲状腺の検査を始めていると聞いています。実はフクシマ事故の後に、政府の要請を受けまして、チェルノブイリの時の最初の10年間の血液及び免疫検査のデータをIAEAに出してくれと言われました。提出したのですが、今はこの作業を続けておりません。最初の10年間のデータには特異性が見られないからです。

私達のセンターの研究者によってですね。フリーラジカル、酸素フリーラジカルの研究が行われました。(資料19)

フリーラジカルによって産生される電子による細胞の放射線分解についての調査が行われました。このフリーラジカルについては、非常に重要なポイントがあります。フリーラジカルが、非常に大きな影響を与えているということについては世界的にも知られていることであります。まだ、バイオフィジカルの分野において、十分に研究し尽くされている状況ではありません。むしろ、大学でも沢山の方々が研究しておりまして、我がセンターも研究段階にあります。そういう中で血液の細胞の検査をしまして、ここに書いてあることがわかってきています。

ここにあるのは、非常に単純化された図でございます。(資料21)

マクロファージ、単球などを含めて様々な変化が起こり、最終的には血液細胞中の受容と輸送に撹乱が生じます。
また、心臓や腎臓について、特に子供たちに、機能障害が起こりうる発症機序、メカニズムが考えられます。(資料22)

そして、心因性疾患についても、フリーラジカルが相当影響を及ぼすということを明らかにした単純化された構図です。(資料23)

こういう状況の中で、大きな役割を果たし得るのが、ビタミンです。それとかメタルですが、亜鉛、ルチン、アスコルビン酸、グルタチオン、トコフェノール、こういうものが、抗酸化の方法として可能性があるわけです。(資料24)

私達は医者ですので、実際に様々な社会的な??平安というものを子供達に与えることはできませんけれど、指針は作ることができるわけです。(資料25)

一つの子供達のリハビリの指針として、例えば、夏の間3か月間汚染されていない地域に子供達を行かせて、そこで汚染されていない食事や汚染されていない空気を吸うことを提案しています。実際にこれは、行く前と行った後の比較研究もしておりまして、子供というのは代謝が非常に激しいので、因みに、リハビリに行った時には、先程言いました抗酸化剤を与えております。そうしますと、行く前と行った後の子供達で非常に大きな違いが出てまいります。特に放射性セシウムはですね、カリウムに置換されるわけでございますが、自分たちの代謝の中で放射性セシウムを排出して、自然のカリウムを取りこんできたり、それ以外に放射性物質に変わる自然界のものを吸収して帰ってくるということがわかっています。

そしてまた、健診が非常に重要になります。健診については、皆さんの長崎と広島の経験を私達使わせていただいています。大体、病気自体は、私達にとって普通の病気です。今大事なことはタイムリーに病気を見つけ出すことであります。

健診の方法は次のとおりです。(資料26)
  • 健康診断
  • 甲状腺の超音波
  • 血液検査
  • 尿検査
  • 腫瘍専門医の検診
  • 内分泌専門家の検診
  • 線量測定です。

結論として申し上げれば、私達の活動の結果として、甲状腺ガンの発症率はストップしました。甲状腺ガンを除いた他のガンの発症率については、汚染地域、汚染地域でない地域も変わりないということです。(資料27-30)

結論として、放射線リスクは、内部被曝、被曝した両親の子供にとっては、遺伝的な病気、、、えーあー、、、失礼いたしました、放射線リスクを受ける子供達については、様々な胎児の時の被曝影響が出ておりますけれども、まだまだ今後放射線と病気の関係については解明されるべきことが沢山あります。先程申し上げましたが、放射線による直接的な影響を受けたガンは一種類です。甲状腺ガンのみです。

すでに25年間私達???特に汚染地域から避難した子供達、それから原発事故処理作業員の子供達に対しては、これから注意深くモニタリングが必要です。それから、これから私達が忘れてはならないのは、内部被曝の影響です。これについては、長期的にモニタリングが必要ですし、ゲノムについても注意深くモニタリングが必要です。

今回このような事故を受けて、私が考えるのは、世界というのは非常に狭いということであります。旧ソ連邦の中でチェルノブイリ原発事故が起きました、その原発事故を受けて世の中が大きく変化しました。フクシマでもそうです。日本の専門家だけの問題ではなく、世界中の人々が関心を持つ事故であり、その人々の生活を大きく変えるものであります。今後も平和的な原子力利用を進めていくのかもしれませんが、何らかの形で自分たちの生活を守っていく手段を考える必要があります。
そして、どこに住んでいようとも、決して、完全に救われるということはないということです。例えば、日本国内色々な食べ物を、海産物や農産物を皆さん食べていると思いますが、汚染されているかどうかは機械を持っていなければわかりません。そういう中で食べている物が汚染されているかもしれません。ただ、我々ロシア人も、ウクライナ、ロシアの汚染地域で作られたものを口にしているかもしれないのです。こういう問題は国境を越えて、影響が広がる大きな問題です。

少しちょっと楽天的に話を終えたいと思うのですが、実はチェルノブイリ原発事故を受けて私は現場にソ連政府から行けと言われたので現場に行きました。その時の私の放射線量を入口で測りましたら、向こうにいる人達の放射線量よりも2倍多かったんです。
そういうことですが、何を皆さんにお勧めできるかというと、何と言っても汚染されていないきれいな水を飲んで下さい。汚染されていない食品を食べて下さい。それとビタミンを忘れずに摂ってください。総合ビタミン剤、あるかどうかわかりませんが、31種類のビタミンとミネラルを含む総合ビタミン剤を飲んで下さい。できれば1年に365日飲んだ方がいいです。一日の用量が決まっていますので、その中に抗酸化剤も含まれますので飲んだ方がいいと思います。以上です。


最終更新:2012年02月03日 22:44
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