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ストリップス債

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ストリップス債は、日本語では「元本利子分離債」とも呼ばれ、米国財務省によって開発された、利付債の元本部分と利札部分(クーポン部分)が分離され、それぞれの部分が「ゼロクーポンの割引債」として販売されるものをいう(売買は帳簿記載方式)。例えば、10年債(年2回利払い)であれば、満期まで10年の「元本ストリップス債」が1銘柄と、満期まで半年のものから半年毎に10年のものまでの「利息ストリップス債」が20銘柄となり、合計で21銘柄のゼロクーポン債となる。

一般に利付債への投資には、満期までに受け取る利息の再運用金利が確定していない再投資リスクがあるが、ストリップス債には再投資リスクがない。また、毎年定額のキャッシュフローを利付債で模すには複雑な計算が必要であるが、ストリップス債を用いれば極めて容易というメリットがある。なお、日本国内の投資家でも買付が可能な流動性の高いストリップス債には、トレジャリー・ノート・ベーシックやトレジャリー・ボンド・ベーシックと呼ばれる、米国債の元本ストリップス債がある。
ストリップス債の基本的な仕組み

特殊なゼロクーポン債で、元々は利付債であった債券を、元本部分と利札部分(利息部分)を分離(ストリップ)し、それぞれ別々に取引できるようにしたもの。

  • 元本部分:元々の利付債の元本の償還日を満期とする割引債
  • 利息部分:各利札について利息の支払期日を満期とする割引債
日本の国債のストリップス化

2003年から新振替決済制度に移行したことに伴い、新たに発行される確定利付国債は、全てストリップス化が可能な分離適格振替国債となった。これにより、現在発行される確定利付国債については、元本部分と利子部分を切り離すことが可能となっている。

  • 分離元本振替国債:元本部分が切り離された国債のこと
  • 分離利息振替国債:利子部分が切り離された国債のこと
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