金融ITシステム ナレッジの泉

物価連動国債

最終更新:

efflimited

- view
メンバー限定 登録/ログイン
物価連動国債は、世の中の物価が上がると元金(元本)が増えるように設計された国債をいいます。日本では、財務省が金融機関などの機関投資家を対象に2004年3月から発行を始め、物価の指標には、総務省が発表する全国消費者物価指数(生鮮品を除く総合指数、CPI)を使っています。欧米では、国債全体に占める割合が10%を超えるなど普及が進んでいるのに対して、日本ではまだ国債全体に占める割合が非常に小さいですが、今後拡大する可能性があります。

通常の固定利付国債では、発行時の元本が償還時まで不変で利率も全ての利払いにおいて同一なため、利子の額は各利払いにおいて同一であり、償還時には最後の利子と発行時の元本(額面金額)が支払われることになります。これに対して、物価連動国債では、元本が物価の動向に連動して増減するため、発行後に物価が上昇(下落)すれば、その上昇率に応じて元本(想定元金額という)が増加(減少)します。また、償還額は償還時点での想定元金額で、利払いは年2回で、利子の額は各利払時の想定元金額に表面利率を乗じて算出されます。なお、表面利率は、発行時に固定され、全利払いを通じて同一となっています。
■物価連動国債の主な特徴

通常の国債とは大きく異なり、以下のような特徴があります。

  • 日本では、現在、機関投資家向けにしか発行されておらず、個人投資家は直接購入することはできない。
  • 世の中の物価の動きに合せて、元本も変動(増減)するように設計されているため、物価が上がると利回りが上がり、反対に物価が下がると利回りも下がるという仕組みになっている。
  • 表面利率は一定で、物価上昇(インフレ)により元本が増加すれば利子の額も増加するため、インフレになっても実質的な資産価値の目減りを回避することができる。その一方で、物価が下がれば、元本を減らす仕組みとなっている。
  • 通常の国債とは異なり、満期まで保有しても元本の保証はない。
  • 短期的には、実質金利(固定利付債利回り-将来の物価上昇率予測)の変動によって価格は変動する。
目安箱バナー