探し人は誰ですか ◆YwLV7iJ2fw
硬い剣戟が、連続する銃声が、人や獣や人ならざる者の咆哮が、そしてそれらが連鎖的に生み出す轟音が、宵闇の下で響き渡る。
そこに時折、完全にそれらの音に負けている波飛沫の音が混じる。
何者をも寄せ付けぬかのような音と、殺気と、闘気。それらによって島の東端の岩棚一帯は、隔絶された戦場となっていた。
そして、あちらこちらが抉られ、削られ、砕かれたた車道や岩石の惨状が、その戦場の尋常で無さを物語っていた。
何も知らない一般人が後でこの場を訪れようものなら、砲撃戦でもあったのかと思ってしまっても無理なからぬ程の有様である。
そこに時折、完全にそれらの音に負けている波飛沫の音が混じる。
何者をも寄せ付けぬかのような音と、殺気と、闘気。それらによって島の東端の岩棚一帯は、隔絶された戦場となっていた。
そして、あちらこちらが抉られ、削られ、砕かれたた車道や岩石の惨状が、その戦場の尋常で無さを物語っていた。
何も知らない一般人が後でこの場を訪れようものなら、砲撃戦でもあったのかと思ってしまっても無理なからぬ程の有様である。
「Go to hell!!」
そんな戦場を生み出している原因の一人、奥州筆頭が伊達政宗が身の丈の二倍近くもある巨大な銀十字架を横薙ぎに振りかぶれば、
その一撃を軽くステップして回避してみせるのは、HELLSING機関が誇る最強の吸血鬼、アーカード。
振り切られた腕が戻る前にそれを切り落とさんと、一気に駆け寄って白銀の剣閃を走らせるが、それを読めぬ政宗ではなく、
十字架を振って生まれた慣性と遠心力に身を任せて斜めに跳躍し、その一撃を回避する。
その傍らで、アーカードの“飼い犬”(些か適切でない表現ではあるが)たる黒犬獣バスカヴィルが、政宗の従者、
“竜の右眼”たる片倉小十郎の身体を引き裂かんと爪を立てて飛び掛れば、
その一撃を軽くステップして回避してみせるのは、HELLSING機関が誇る最強の吸血鬼、アーカード。
振り切られた腕が戻る前にそれを切り落とさんと、一気に駆け寄って白銀の剣閃を走らせるが、それを読めぬ政宗ではなく、
十字架を振って生まれた慣性と遠心力に身を任せて斜めに跳躍し、その一撃を回避する。
その傍らで、アーカードの“飼い犬”(些か適切でない表現ではあるが)たる黒犬獣バスカヴィルが、政宗の従者、
“竜の右眼”たる片倉小十郎の身体を引き裂かんと爪を立てて飛び掛れば、
「甘い!」
小十郎は先の踏み付けの時と同じようにその一撃を跳んでかわし、再び着地と同時に機関銃の弾丸を、弾倉が空になるまで撃ち続けた。
だが、しかしと言うかやはりと言うか、黒犬獣にさしたるダメージを与えれたようには全く見えず、
またも不機嫌そうに低い唸り声をあげながら、小十郎を睨みつけてきた。
だが、しかしと言うかやはりと言うか、黒犬獣にさしたるダメージを与えれたようには全く見えず、
またも不機嫌そうに低い唸り声をあげながら、小十郎を睨みつけてきた。
(…全く、躾けがなってねえ上に性質の悪い犬だぜ。やはり火縄じゃ分が悪いか? となると…)
そう考えると小十郎は弾倉の交換をせずにそのまま機関銃を背負い袋に仕舞い込み、代わりに最後の支給品であるナイフを一本取り出した。
弾丸に余裕があるとは言え、それが一切合財通用しないとなっては、牽制にすらなりはしない。
となれば、リーチと火力が圧倒的に劣るとは言え、攻撃の手段を完全に変えた方が良い結果を生む可能性は高いだろうと彼は考えた。
何より、重火器と比べれば刃物の方が圧倒的に使い慣れているというのもあるし、このナイフ、実は一本だけではない。
背負い袋の中には、まだ数十本もの同じナイフが詰め込まれているのだ。
これは、このナイフの本来の持ち手であるとある洋館のメイド長が、普段から数十から数百ものナイフを一度に使っている事に起因している。
弾丸に余裕があるとは言え、それが一切合財通用しないとなっては、牽制にすらなりはしない。
となれば、リーチと火力が圧倒的に劣るとは言え、攻撃の手段を完全に変えた方が良い結果を生む可能性は高いだろうと彼は考えた。
何より、重火器と比べれば刃物の方が圧倒的に使い慣れているというのもあるし、このナイフ、実は一本だけではない。
背負い袋の中には、まだ数十本もの同じナイフが詰め込まれているのだ。
これは、このナイフの本来の持ち手であるとある洋館のメイド長が、普段から数十から数百ものナイフを一度に使っている事に起因している。
(さて、こっちが効いてくれればいいんだが、もしこれでも駄目な場合はどうするか…)
今現在こそ政宗小十郎も、それぞれアーカードと黒犬獣との1対1の状況になっているが、もし相手側が政宗に攻撃を集中させてきたら、
ナイフも黒犬獣に通じなかった場合、政宗を守りきるのは非常に非情に難しいと言わざるを得ないだろう。
最悪の場合、自分の命はここで捨てなければならないか…と、小十郎は重い覚悟を胸に、冷や汗が滲む掌を強く握り締めた。
ナイフも黒犬獣に通じなかった場合、政宗を守りきるのは非常に非情に難しいと言わざるを得ないだろう。
最悪の場合、自分の命はここで捨てなければならないか…と、小十郎は重い覚悟を胸に、冷や汗が滲む掌を強く握り締めた。
「いいぞヒューマン。否、サムライと呼んだ方がいいか。こんなに楽しい闘争は久し振りだ!」
にやり、と鋭く伸びた犬歯を覗かせながら哂い、アーカードが賞賛する。
その表情には言葉通りの愉悦の色のみが浮かんでおり、怯えや焦り、恐怖と言った感情は、当然の事ながら一切感じられない。
しかし、それは相対する政宗にしても同じだった。
小十郎の悲壮とも言える覚悟と心境を知ってか知らずか、彼もまた、この常ならぬ闘争を心の底から楽しんでいた。
その表情には言葉通りの愉悦の色のみが浮かんでおり、怯えや焦り、恐怖と言った感情は、当然の事ながら一切感じられない。
しかし、それは相対する政宗にしても同じだった。
小十郎の悲壮とも言える覚悟と心境を知ってか知らずか、彼もまた、この常ならぬ闘争を心の底から楽しんでいた。
「それはお互い様だぜMonsterの旦那。こんな馬鹿げた戦場でなきゃもっと良かったんだがな。ついでに使い慣れた獲物がありゃ言う事無しだ」
「ハハ。全くだ」
「ハハ。全くだ」
政宗の常の獲物は、『六爪』と呼ばれる六本の日本刀。それを両手の指の間に挟んで振るう六爪流こそが、彼の本来の戦闘スタイルだ。
現在手にしている巨大十字架は、彼の膂力を以ってすれば扱う事自体に難は無いが、僅かずつながら過剰な疲労は蓄積するし、何よりやはり融通が効かな過ぎる。
特に、振るう度に過剰に発生する慣性は、政宗の動きに無視できないレベルのマイナスを科していた。
如何に眼前の相手に対してクリティカルな威力を叩き出すとは言え、彼からしてみれば、使い勝手は間違い無く悪い部類に入る。
現在手にしている巨大十字架は、彼の膂力を以ってすれば扱う事自体に難は無いが、僅かずつながら過剰な疲労は蓄積するし、何よりやはり融通が効かな過ぎる。
特に、振るう度に過剰に発生する慣性は、政宗の動きに無視できないレベルのマイナスを科していた。
如何に眼前の相手に対してクリティカルな威力を叩き出すとは言え、彼からしてみれば、使い勝手は間違い無く悪い部類に入る。
一方、アーカードが普段使用しているのは、大口径の拳銃だ。
黒犬獣ら眷属による攻撃や、自身の身体能力に任せた“暴力”を除外すれば、基本的に中~遠距離での闘いを特に得手としている。
『心渡』の六尺半という、近距離向きともならぬ中距離向きともならぬ中途半端な長さもさる事ながら、
そもそもアーカード自体が、刀を振るうという行為自体に慣れていない。
その行為は正しく、眼前の相手こそが得意としているもののはずであり、それは即ち、相手に読まれ易過ぎるという事だ。
黒犬獣ら眷属による攻撃や、自身の身体能力に任せた“暴力”を除外すれば、基本的に中~遠距離での闘いを特に得手としている。
『心渡』の六尺半という、近距離向きともならぬ中距離向きともならぬ中途半端な長さもさる事ながら、
そもそもアーカード自体が、刀を振るうという行為自体に慣れていない。
その行為は正しく、眼前の相手こそが得意としているもののはずであり、それは即ち、相手に読まれ易過ぎるという事だ。
事実、アーカードも政宗も、これまでの相手の攻撃の半分以上は、受けず流さず、軌道を読んで回避していた。
そして、アーカードの方はそれとは別に、この闘争について、そして己の身に起きている異変について若干の危惧があった。
(傷の治りが遅すぎる……。ヤクモユカリと言ったかあの女、何か細工をしてくれたようだな…)
セラスを庇った政宗の先制攻撃による一撃で抉られた肩口が、未だに回復しきっていないのだ。
既にこの傷をこさえられてから、二、三十分は経過している。
十全の状態の、ましてや夜のアーカードならば、「これぐらい」の傷ならば既に治癒しきっているはずなのに、だ。
既にこの傷をこさえられてから、二、三十分は経過している。
十全の状態の、ましてや夜のアーカードならば、「これぐらい」の傷ならば既に治癒しきっているはずなのに、だ。
(だが、それ故に楽しい闘争もある!)
「「!!!」」
ぶわっ! と、アーカードの放つ漆黒の狂気と凶喜が、一瞬だけだが政宗と小十郎をも気圧すまでに膨れ上がり、
そしてそれが合図とばかりに黒犬獣が今度は政宗へと、更にアーカード自身もまた、神刀・心渡を振りかぶりながら、
こちらは変わらず政宗へと向かって超スピードで突撃していった。
そしてそれが合図とばかりに黒犬獣が今度は政宗へと、更にアーカード自身もまた、神刀・心渡を振りかぶりながら、
こちらは変わらず政宗へと向かって超スピードで突撃していった。
「政宗様!!」
威圧されて隙を生んだという不覚を恥じるよりも前に、覚悟を決めていた小十郎がバネ仕掛けのように政宗の前に飛び出し、
振り下ろされかけていた黒犬獣の両の前足を、ナイフの一閃で一気に切り落とした。
だが、黒犬獣の勢いそのものを殺しきる事はやはり叶わず、前足を失ってバランスを崩した巨躯に、思い切り圧し潰される形となった。
振り下ろされかけていた黒犬獣の両の前足を、ナイフの一閃で一気に切り落とした。
だが、黒犬獣の勢いそのものを殺しきる事はやはり叶わず、前足を失ってバランスを崩した巨躯に、思い切り圧し潰される形となった。
「ぐあ…っ!」
「小十郎!!」
「小十郎!!」
ズゥン…と、重い物が大地に落下する音と、くぐもった小十郎の苦悶の声が、静寂の宵闇に響き渡る。
「チェック・メイトだ。サムライ!」
「しまっ…!」
「しまっ…!」
漆黒の威圧。そして、眼前での己の従者の危機。一瞬の隙も、二度続けば充分すぎるものとなる。
迫り来る刺突に対し、回避は間に合わぬとの判断から政宗は十字架を盾代わりにして受け止めんと翳そうとするが、それも既に時遅し。
白銀に光る心渡の刃が、政宗の左の脇腹に深々と突き刺さった。
迫り来る刺突に対し、回避は間に合わぬとの判断から政宗は十字架を盾代わりにして受け止めんと翳そうとするが、それも既に時遅し。
白銀に光る心渡の刃が、政宗の左の脇腹に深々と突き刺さった。
「ガッ…デム…」
ここに、闘争の幕は下りた。
―――あくまでも、「この闘争の」だが。
心渡の刃は政宗の身体に突き立てられはしたが、背中側へと貫通される事も無く、
或いは一思いにそこから横薙ぎに胴体を両断する事も無く、肉と血管をいくらか傷付けるだけに留まっていた。
それでも軽症とは言い難いが、政宗の体力ならば反撃するに不都合は無い程度のダメージである。
或いは一思いにそこから横薙ぎに胴体を両断する事も無く、肉と血管をいくらか傷付けるだけに留まっていた。
それでも軽症とは言い難いが、政宗の体力ならば反撃するに不都合は無い程度のダメージである。
「…どうした。トドメはささねぇのか…?」
「戯れが過ぎる所だったからな」
「どういう、事だ…」
「この戦場に於いてのマスターからの命はまだ受けていないからな。貴様達を殺していざマスターと合流した時、見敵必殺(サーチアンドデストロイ)と言われればいいが、
この殺し合いを止めろとでも言われようものなら、その命をまっとうする事は叶わなくなる。それでは困るのだよ」
「…テメェは…主の側じゃ…ねえのか?」
「戯れが過ぎる所だったからな」
「どういう、事だ…」
「この戦場に於いてのマスターからの命はまだ受けていないからな。貴様達を殺していざマスターと合流した時、見敵必殺(サーチアンドデストロイ)と言われればいいが、
この殺し合いを止めろとでも言われようものなら、その命をまっとうする事は叶わなくなる。それでは困るのだよ」
「…テメェは…主の側じゃ…ねえのか?」
アーカードのその言葉に、いつの間にか黒犬獣が姿を消した事により解放された小十郎が、覚束ない構えでナイフを構えながら問いかける。
ナイフを握る手に込められた力は幾分も緩んでいないが、口調から感じられる切迫感は、先の絶叫の時と比べるとほんの僅かながら減じていた。
ナイフを握る手に込められた力は幾分も緩んでいないが、口調から感じられる切迫感は、先の絶叫の時と比べるとほんの僅かながら減じていた。
「従者の主の上に更に主がいるなど、組織ではよくある事だろう? サムライの君主よ」
「…Ha! 違いねぇ」
「…Ha! 違いねぇ」
言われて自分達の従者の従者、すなわち共に戦場を駆ける兵卒達の姿が脳裏に浮かび、政宗は破顔一笑して肯定した。
そしてその笑みがそのまま、この戦いの〆の合図となった。
そしてその笑みがそのまま、この戦いの〆の合図となった。
◇◇◇
「それじゃあこれからどうするんだい? Monsterの旦那よ」
戦闘後、互いに大きすぎる獲物を体内なり背負い袋なりへと収めながら最初に交わされた言葉は、
小十郎の手によって応急手当を済ませた政宗から、ようやく初撃の傷が癒えきったアーカードへの、そんなちょっとした質問だった。
勿論、戦闘を経て彼等の間に友情が芽生えたとか、それ故に相手の事が心配になっているだなんて甘っちょろい事はさらさら有りはしない。
寧ろ逆に、一つ間違えればまたすぐにでも戦闘が再開されかねない、一触即発の雰囲気はまだ充分に残っている。
政宗とアーカードにとってしてみれば「ちょっと冷静になった。闘争は後回しにしよう」と言うだけに過ぎず、
いつまた戦う事になるかも判らぬ警戒すべき相手が、これからどう動くのかという事が気になっただけと言っても過言ではない。
小十郎の手によって応急手当を済ませた政宗から、ようやく初撃の傷が癒えきったアーカードへの、そんなちょっとした質問だった。
勿論、戦闘を経て彼等の間に友情が芽生えたとか、それ故に相手の事が心配になっているだなんて甘っちょろい事はさらさら有りはしない。
寧ろ逆に、一つ間違えればまたすぐにでも戦闘が再開されかねない、一触即発の雰囲気はまだ充分に残っている。
政宗とアーカードにとってしてみれば「ちょっと冷静になった。闘争は後回しにしよう」と言うだけに過ぎず、
いつまた戦う事になるかも判らぬ警戒すべき相手が、これからどう動くのかという事が気になっただけと言っても過言ではない。
「私はここで我が従者を待つとするさ。ヤツがちゃんと働くか、或いはその前に運が良ければマスターがここに現れるだろうし、
何より、闇雲に探し回って逆にマスターと入れ違っても困るしな」
「道理だな。それじゃあ俺達は逆に動き回るとするか、小十郎。じっとしてるってのは性に合わねぇし…何より俺達も探さなきゃならねえ奴等がいる」
「御意」
「フ。どちらも重傷ではないとは言え、たいしたタフさだな。これだから人間と言うものは素晴らしい」
何より、闇雲に探し回って逆にマスターと入れ違っても困るしな」
「道理だな。それじゃあ俺達は逆に動き回るとするか、小十郎。じっとしてるってのは性に合わねぇし…何より俺達も探さなきゃならねえ奴等がいる」
「御意」
「フ。どちらも重傷ではないとは言え、たいしたタフさだな。これだから人間と言うものは素晴らしい」
かくして、アーカードは己がマスターであるインテグラと合流すべく、またその為に従者であるセラスを待つべくこの場に留まる事を選び、
それとは反対に政宗達は、己の当面の目的の為にこの場を離れる事を選んだ。
それとは反対に政宗達は、己の当面の目的の為にこの場を離れる事を選んだ。
「じゃあな旦那。運が良かったら……否、悪かったらまた闘(や)り合おうぜ。Good Bye」
「ああ。願わくばあの女の支配下にあるこの戦場ではないどこかでな」
「ああ。願わくばあの女の支配下にあるこの戦場ではないどこかでな」
【D-6/北東・路上/1日目-深夜】
【主:アーカード@HELLSING】
[主従]:セラス・ヴィクトリア@HELLSING
[状態]:健康
[装備]:神刀・心渡@物語シリーズ
[方針/行動]
基本方針:???
1:セラスを待つ。
2:インテグラの命令(オーダー)を待つ。それまでは取り敢えず無闇に殺害はしないように努める。
[主従]:セラス・ヴィクトリア@HELLSING
[状態]:健康
[装備]:神刀・心渡@物語シリーズ
[方針/行動]
基本方針:???
1:セラスを待つ。
2:インテグラの命令(オーダー)を待つ。それまでは取り敢えず無闇に殺害はしないように努める。
3:政宗達を警戒。制限下から出られれば再戦したい。
[備考]
※参加時期は、北アイルランド地方都市ベイドリックでアンデルセンと対決した後。(1巻)
※再生の制限に気付きました。
※参加時期は、北アイルランド地方都市ベイドリックでアンデルセンと対決した後。(1巻)
※再生の制限に気付きました。
◇◇◇
「さてとだ、小十郎」
「はっ」
「はっ」
アーカードが見えなくなるまで歩を進めてから更にしばらく後、政宗と小十郎は背負い袋から基本支給品である参加者名簿を取り出した。
アーカード達と遭遇する前に、地図や他の支給品ともども一度確認していたそれを再び開く。
二人の視線の先には、彼等にとってあまりに因縁深き名前が二つ、記されていた。
アーカード達と遭遇する前に、地図や他の支給品ともども一度確認していたそれを再び開く。
二人の視線の先には、彼等にとってあまりに因縁深き名前が二つ、記されていた。
「織田信長……明智光秀……こいつらは“あの”信長と光秀なのか…?」
日ノ本に於いてその名を知らぬ者はいないであろう、第六天魔王織田信長と、その側近である明智光秀。
しかし彼等はついぞ先日、他ならぬ政宗たちの手によって討ち滅ぼされたはずなのだ。
その記憶は二人の脳裏にも鮮明に残っている。
しかし彼等はついぞ先日、他ならぬ政宗たちの手によって討ち滅ぼされたはずなのだ。
その記憶は二人の脳裏にも鮮明に残っている。
「俺は確かに真田幸村と共に、信長を討った。…それは小十郎にとっての光秀も同じだよな」
「間違いなく」
「間違いなく」
自分達が殺したはずの者の名前が、今、同じ島にいる者の名前として記されている。
あまりにも不可解なこの事に、その真偽を疑うのは無理なからぬ事といえよう。
あまりにも不可解なこの事に、その真偽を疑うのは無理なからぬ事といえよう。
「だとするとこの人別帳か、或いは信長達自身全くのfakeなのか……閻魔様のもとから舞い戻ってきたか、ってトコか」
「後者だとすると俄には信じ難い事ですが…」
「考えてたって始まらねえ。兎に角二人を探して、偽者だったなら放っときゃいい。
だがもし本物だったなら……今度こそ確実に地獄の底まで叩き込んでやらねえとな! Aer you ready!?」
「はっ!」
「後者だとすると俄には信じ難い事ですが…」
「考えてたって始まらねえ。兎に角二人を探して、偽者だったなら放っときゃいい。
だがもし本物だったなら……今度こそ確実に地獄の底まで叩き込んでやらねえとな! Aer you ready!?」
「はっ!」
【D-6/南東・路上/1日目-深夜】
【主:伊達政宗@戦国BASARA】
[主従]:片倉小十郎@戦国BASARA
[状態]:左脇腹に中度の刺傷(応急手当済み)
[装備]:伊達政宗の具足
[方針/行動]
基本方針:???
1:織田信長と明智光秀が本物かどうかを確認し、本物ならば再度討ち果たす。その後の事は考えていない。
2:取り敢えず八雲紫の思惑に乗るつもりは無い。
[主従]:片倉小十郎@戦国BASARA
[状態]:左脇腹に中度の刺傷(応急手当済み)
[装備]:伊達政宗の具足
[方針/行動]
基本方針:???
1:織田信長と明智光秀が本物かどうかを確認し、本物ならば再度討ち果たす。その後の事は考えていない。
2:取り敢えず八雲紫の思惑に乗るつもりは無い。
3:アーカードを警戒。制限下から出られれば再戦したい。
【従:片倉小十郎@戦国BASARA】
[主従]:伊達政宗@戦国BASARA
[状態]:全身に軽微の打ち身
[装備]:十六夜咲夜のナイフ@東方儚月抄、トミーガン、背負い袋(基本支給品)、
(以下背負い袋内)トミーガンのマガジン(.45ACP弾50発入り)×7、十六夜咲夜のナイフ×29@東方儚月抄、巨大な十字架
[方針/行動]
基本方針:政宗様を守る。
1:織田信長と明智光秀が本物かどうかを確認し、本物ならば再度討ち果たす。
2:取り敢えず八雲紫の思惑に乗るつもりは無い。
[主従]:伊達政宗@戦国BASARA
[状態]:全身に軽微の打ち身
[装備]:十六夜咲夜のナイフ@東方儚月抄、トミーガン、背負い袋(基本支給品)、
(以下背負い袋内)トミーガンのマガジン(.45ACP弾50発入り)×7、十六夜咲夜のナイフ×29@東方儚月抄、巨大な十字架
[方針/行動]
基本方針:政宗様を守る。
1:織田信長と明智光秀が本物かどうかを確認し、本物ならば再度討ち果たす。
2:取り敢えず八雲紫の思惑に乗るつもりは無い。
3:アーカードを警戒。
[備考]
※参加時期は両名とも、一期最終回後~二期開始前です。
※参加時期は両名とも、一期最終回後~二期開始前です。
【十六夜咲夜のナイフ@東方儚月抄】
紅魔館の瀟洒なメイド長、十六夜咲夜が愛用しているナイフ30本セット。特別な効果などは無い。
紅魔館の瀟洒なメイド長、十六夜咲夜が愛用しているナイフ30本セット。特別な効果などは無い。
前:Studio D.IO! | 投下順に読む | 次:ルルーシュより、ずっとはやい!! |
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