メタルギアソリッド3クロス 蛇さんの美食講座その二


後にビッグボスと呼ばれる男ネイキッド・スネーク、彼はある任務で異世界に訪れいつものように食料を確保した。
だが確保したその生物は彼の知るどの生物とも違うものだった。なのでとりあえずいつも通りに専門家へと無線を入れる事にする。
動植物の専門家パラメディックが通信に応えた。


『召喚竜を捕獲(キャプチャー)したのね』
「召喚竜?」
『ええ、魔道師の中で言う召喚師が呼ぶ生物の一種で、名前通りに私たちの世界でドラゴンと呼ばれている幻の生き物に酷似しているわ。
その竜は前脚が翼になっていてアルザスの飛竜と呼ばれるタイプの竜ね、大きさは随分小さいからまだ子供だと思うわ』
「そうか、しかしドラゴンがいるとは、やはりここは魔法の世界なんだな」
『そうね、まるで幻想の世界の話みたいでドキドキするわ。私も実際に見てみたいものね』
「そうか」


この会話でパラメディックは一つの違和感を覚えた。
彼がこの状況ですべき言葉を発していないのだ。いつもならば確実にするであろう質問が来ない違和感がこみ上げてくる。
彼女は思わずその疑問と違和感を問いただした。


『ねえスネーク、いつもの質問しないの?』
「いつもの?」
『ええ、いつも捕獲したら味を聞くじゃない』


彼女のその質問にスネークは即答した。


「ああ、言い忘れてた。さっきの召喚竜ならもう食べたぞ」
「……」


一瞬の沈黙、パラメディックはスネークの発した言葉の意味を脳内で反芻し、そして大きな声を上げて驚愕した。


『ええ~!?』
「なにをそんなに驚いてるんだ?」
『いや……その……それホント?』
「ああ、ナリは小さいが実に美味かった、この前の蟲とはえらい違いだ。こう、味は油の乗った極上のチキンなんだが、食感は柔らかいポークのようでな。
今まで色々と食べてきたが、あれは最高だったぞ。この辺にまだ生息してないのか?」
『ええっと……その辺に生息しているというデータは無いわ。でも、まさか……食べちゃうなんて……』
「ナニをそんなに驚いているんだ?」
『いいえ……なんでもないわ』


後日、失踪した一匹の召還竜を探して一つの部隊が総出で探索に当たったが一向に見つからなかったとか。
ミッドチルダのあちこちでしばらくの間“迷子の召還竜を捜しています、名前はフリードです”と描かれた張り紙があちこちに張られていたとかいないとか。


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最終更新:2008年10月13日 21:24