大本営神奈川新聞の記者。
デイリーベイスターズで魅せる詩的な記事は「平成のヘミングウェイ」と称されるほどで、
独特な世界観に惚れたファンも多いとか。
降りしきる雨の中で若き4番がもがいていた。
右腕で苦悶(くもん)の表情を隠しながら多村が救急車に運ばれていく。 その赤色灯がチームの危機と重なって見えた。
宴の後のようなもの悲しいさが漂い、北海道の薫風もなぜか冷たい秋風に似る。
ベンチ裏は鎮魂歌が奏でられているかのように沈んでいた。
気持ちが、あきらめへと逃げてしまわぬうちに。
力の差は、金城が出したグラブと白球の差と決して同じではない。
春眠かと思いきや、若手が芽吹く新緑の季節ももう近い。
前夜の闘争心は眠りとともに忘れ去られたか。
まだ白星のない本拠地の夜空。雲に覆われ、探しても星はまだ見えてこない。
不安が噴き出したと嘆くのはひとまず置いて、放たれた光をたたえよう。
白星で気分よろしくシーズンインだ。
2005年10月13日(木)
→しばし休まれよ
2005年9月30日(金)
横浜スタジアムに至福のときが訪れるのはいつだろうか。
球団が一般企業ならば、破たん寸前である。
救いは、応援に駆け付けた華やかなフェリス女学院大チアリーディング部の演技か。
暦のうえでは大気が冷えて露ができる「白露」を過ぎたが、この日の 横浜の最高気温は31度超。チームだけが、暦通りに冷えてきた。
成長しきれない若手の役不足が引き出したものとも言える。
見たくはなくとも、口を開けた4年連続の深淵が視界に入る。
分岐すべてにおいて力の差なのだろうか。
優勝争いは遠のいたが、戦いはまだここにある。
結局雨は降らなかっただけに、水に流すつもりは毛頭ないようだ。
でも、ファンは同時に夢を見たいのだ。
闘志同様に、リーグの火もまだまだ消せない。
虎を止めろ。本当の戦いはこれから始まる。
失速の横浜。今季最大の危機を迎えた。
2005年6月6日(月)
→三―二―一
2005年5月16日(月)
この試合が大きかったと振り返れる未来がくればいい。
寒いスタンドの風景が、チームの危機と重なって見える。
その好投はナインと、そしてファンの記憶に刻みつけられた。
今季の横浜はなかなか負けない。