嘘予告「リリカルなのは×禁書目録」


「人間のロストギア指定? それって珍しいことなの?」
「オーパーツ、オーバーテクノロジーなどがロストギアに認定されるのに人がそんな存在だとおかしいでしょ?
 それに人の場合はランクが与えられると思うわよ」
「そっかぁ。でも噂なんでしょ?」
「そ、あくまでも噂よ」
 ティアナとスバルの何気ない会話、ある紅茶が美味しい喫茶で行われる日常。



「ちょっと待ってください。魔道師ランクFの少女にロストギアを認定?」
「管理局の上層部により決まったことだ。聖王教会からの進言でもある。八神はやて二等陸佐」
「聖王教会から…ですか」
「そうだ。聖王教会は以前からこの案を申請していたのだよ」
 管理局の本部の一室で繰り広げられる何やら何かがありそうな会話。



「第97管理外世界、である人物がロストギアに認定されたわ…
『10万3000冊の魔道書』である通称『Index-Librorum-Prohibitorum』」
「地球にいる人が? 何で?!」
「なのは、あの世界についてなぜ管理外なのか。
ただ、管理局が関与しなかったからじゃなく管理できなかったかららしいのよ」
「フェイトちゃん…それ、どういうこと…?」

 あの世界の隠された部分があらわになっていく。それは科学と魔法の戦争だった。



『ついにあちら側も動いてきたようでありまするね』
「管理局か…懐かしい奴らだ。グレアムなどがいるところだな。しかしあいつらがかかわってくるとは珍しいことだ」
『直接あなたと連絡すること自体が私はあり得ない状況ですけどね』
「何をいうか、ローラ=スチュアート。このことはそちらにおいては大きな問題としてとられているのだろう」
『あなたもでしょう? 今、禁書目録は学園都市にいるのですよ? 戦場となる場合、その都市がなるのです』
「都合が悪いのは私だけではないはずだ。
学園都市、イギリス清教、ロシア正教、そしてローマ成教。すべてがそれについて考え始めている」
『動いてどこの者にも都合が悪くない自分物が動く必要がありますね。特に学園都市の場合、レベル0が』
「決まっている、誰が動くかなんて」

 フラスコが電子画面に映された女と話している。その会話はこの都市で起こる戦いの予兆。


―――――――――魔法少女と禁書目録――――――――


「どきやがれ、お前は一体なんだ」
「…あなたこそ、そこをどいてください。私はそこを進む必要があります」
「変な服装して、こんな路地裏に来て偉そうな口をたたくんじゃねぇ…」

金髪の少女の前に立つのは鼻にピアスの空いた男。男はずっとジャケットの後ろに手を突っ込み拳銃に手をかけている。

「こちら側は縄張りに入られると困るんだよ…特に能力者を俺は嫌いだ」


 運命の名を持つ女性と、本当の無力でも大きなものに立ち向かう男はそこで出会った。



「一面の炎に囲まれて倒れるか、それともこちらの最強の一手で燃えつくされる気か」
「いえ、僕は負ける気はありません」
「私もです…フリード!」
 大きく泣いた龍を見ている男はマントがところどころ破けている。
長髪、長身、赤く燃えるような髪を見せる男は歯を見せるように歪んだ笑いを見せた。
「子供に苦戦を強いりられ、龍と闘う。それもまた私の最強への証明なのだ。
そして、彼女を守るためにこれを倒すことも私の試練だ。


『Fortis931(我が名が『最強』である理由をここに証明する)』」


 その大きな龍と少女、少年の前に紅き魔人が降り立つ。

「ころしつくし、燃やしつくせ。わが強さを証明しろ、『魔女狩りの王(イノケンティウス)』」

 男の最大の切り札。それはまるで魔法使いを殺すために存在するような化け物。




「…なぜこちらの手が読まれてんだよぉ!?」
「まるで私たちのことを知っているようだな」
 無線で声が聞こえる。はやてからの情報。それは彼女たちには致命的なこと。
『彼女の脳内には夜天の魔道書の知識もあるみたいやわ』
「だからある程度の距離をとられているのか」
「さっきの遠距離攻撃も振りかぶったらもうすでに逃げてやがったし…どうする、ザフィーラ」
「とりあえず、鼻で追うぞ。ついて来い」

 紅い少女と蒼い犬は、白い少女を追い続ける。




「たぁあああああああああ!!!」

 金属がぶつかる音。その音はあまりにも奇麗でそして、怖い音。
肩で息をするシグナム、それをサポートするシャマル。その二人に立ちはだかるのはこの世界では最強に部類する人種。

「聖人相手にここまでするか…さすがだ、異界の魔道師」
「こちらも驚いた。お前のような奴がこの世界にいたなんて、依然探したときには見つからなかったのにな」

「名は?」
 二人の間に沈黙、シャマルはそれを下から見つめていた。
「シグナム、ベルカの騎士だ」
「私は神裂火織、本気を出す。だからそっちも本気を出せ。彼女を守るのに時間をかけてはいられない」
 シグナムは弾丸を込める。神裂は長刀を腰につけ、自分の身に刻んだ言葉を言った。
「いざ、勝負!」
紫電 ―――― 一閃
「『Salvere000(救われぬ者に救いの手を)』」
 刀が引き抜かれ7の斬激と1の必殺が放たれ、大きな力はぶつかった。



そして――――幻想を殺す少年は―――――――――

「あぁ、守るんだよ。
あんたがあいつをどんだけ危険か知ってるみたいだし、おれもそれは分かってる。
だけどよぉ…あいつを確保してそのまま連れていくやつらなんか信用できねぇ!」
「…無理やりにでも連れていく必要があるよ。
それだけ危険な少女なら、私たちも…協力するから!」
「あんたは信用できる。だけど、あんたの上が信用できる保証なんてどこにもねぇ。
守ると決めた奴のために後から来たやつが”私がやるから”なんて言われて”はいそうですか”って渡せるわけねぇーだ!」
「…でも…」
「“でも”も“へちま”もねぇ!
理屈じゃねぇーんだ! 俺が守るって決めたんだ!あいつが笑ってここにいるのを守るんだよ! あんたにもそういう人がいんだろうが! 守りたいと思う奴が!」
「っ!」
「いるならわかるだろうが! 
見捨てるなんて選択肢は最初っからねぇーんだ! 世界が変わるから!? 世界が滅ぶから!? 
そんなの俺でも大変なことだってわかるさ! 
でも自分でも説明できない理論を持ってきたあんたに俺はあいつを渡すわけにはいかねぇ!
俺が、俺自身がそれを許せねぇーんだよ!」

「…それでも私は救うために動く! 力ずくでも…引いてもらうよ!」
「引くかよ…ここで引いてたまるか!」

 大きな杖を構える無傷の女性、彼女は周囲に何かを飛ばしてすべてを青年に向けている。
一方青年は血だらけになりながらも立ち上がれるかどうかという感じでぎりぎりの状態。
しかし、彼から破棄は消えない。

「あんたにも正義があるのはわかるんだよ…それでも俺には俺のやり方があるんだ!
そんなんでもあんたが自分の流儀を引っ張り出すなら俺は自分の道を進むために
…あんたの―――――」

「痛いのはちょっと…だけだよ」


「全力…全壊!! スターライト――――――ブレイカー!」

 光があふれ杖から青年に向かっていった。青年は右こぶしを挙げ、叫んだ。

「ブレイク―――――シューーーーーーーーート!」
「あんたのその幻想をぶっ殺す――――!!!」

 光とこぶしはぶつかり、人は互いの道を進まず、自分の進む道を選ぶ。



どちらが正しいなんてない。その人から見れはそれは正しい道。
道なんてそれこそ五万とある。しかし、だからこそ道は人によって変わる。


二人は自分の道を進むために杖と拳、そして信念でぶつかり合う。

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最終更新:2008年05月22日 19:54