154 :名無しさん@ピンキー:2009/07/10(金) 16:10:11 ID:NTvXfKNQ
穴の底で二人きり。

155 :名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 12:47:54 ID:rvp6Cw7G
 田舎へ帰省した。
 夜、美しい天の川を見上げながら歩いてたら
古井戸に落っこちた。
 井戸の底で出会ったのは、お皿の数を数えている
和服姿の美しい少女だった。

こうですか?わかりません。

158 :名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 12:53:04 ID:5imuWzy0
しかもお尻の下で皿が割れてるんですね…。

159 :名無しさん@ピンキー:2009/07/13(月) 15:35:37 ID:rvp6Cw7G
お菊「ただでさえ一枚足りないのに、全部割ってくれちゃって..
   私もうお嫁に行けない!!責任とって下さい」
こうですか?わかりません。

160 :名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 20:31:12 ID:8TMLpMjx
「安心してください、責任を持って私が犯人を見つけ出します!」
「いや、あの……」
「大丈夫です、犯人のめぼしはついています」
「だから、あの……」
「犯人はこの中にいる!」
「……」

161 :名無しさん@ピンキー:2009/07/15(水) 20:56:48 ID:gR8bNVXF
「私、犯人が誰かもうわかりました」
「ほう、誰が犯人なんですか?」
「160さんなんじゃないんですか?」
「お嬢さん、何を根拠にそんなことを……」
「ここにいるのは、私と160さんだけなんですよね?」
「そうですが、それが何か?」
「私は犯人じゃないから、消去法で160さんが犯人です」

162 :名無しさん@ピンキー:2009/07/16(木) 09:05:35 ID:cBWhttUI
「驚きました、完璧な推理です」
暗い井戸の中、拍手が響く。
「しかし、その推理には重大な穴がある」
それは、
「犯人が存在するという前提そのものが間違っているかもしれない……ということですよ、お菊さん」
「それは……どういうことです?」
彼は皿の破片を脇に放り投げ、居住まいを正す。
そして、口を開いた。
「説明しましょう」

164 :名無しさん@ピンキー:2009/07/28(火) 09:36:09 ID:R6LGF2ji
「ここには犯人は居ない、あなたと私二人だけ。
 私は女の子と二人っきりになってしまった、それだけのことです。
 説明は終わり。この話もお終い。さあ、次はあなたたちの番です話をお聞かせください」
「何処に向かってしゃべってるんですか?」
「井戸の向こう、知らない世界で二人っきりになってしまった男女へ向けてです」
「……よく分かりませんが、とにかく責任はとっていただきますよ」
「ゴメンナサイモウシマセンユルs  」

165 :名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 02:51:01 ID:cvsUabbC
「……と、簡単に謝るわけにはいきませんね」
「往生際が悪いですね」
「いいですか、私の推理をよく聞いてください」
「はい、なんでしょうか」
「皿を割ったのは、何者かによる私への挑戦なのですよ」
「へー、そうなんですか」
「この暗号を解くと答えが浮かび上がってきます」
「どんな答えが浮かび上がるんですか?」
「つまり、真犯人は犯人によって『さら・われた』のです!」
「なるほど、つまり犯人はいないわけですね」
「そういうことです」
「でもですね、推理以前に重大な問題があります」
「なんでしょうか?」
「結果的に貴方が原因だという所に違いがありません」
「なかなか、痛いところをお突きになられる」

166 :名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 11:01:09 ID:zC2o7X0Y
「しかし……」
「しかし、なんですか?」
「ナイフで人を刺したとき、悪いのはナイフでしょうか?」
「ナイフです」
「そうではあり……えっ」
「悪いのはナイフです」
「……」

167 :名無しさん@ピンキー:2009/07/29(水) 15:49:44 ID:OLI/dC4i
「その理屈だと、皿が割れたとき、悪いのはお皿になりますよね」
「えっと、そうなりますね」
「では、私には何の責任もなく、晴れて無罪放免ということに」
「そ、それは違います!」
「なぜでしょうか?」
「私が本当に言いたかった事はこうだからです」
「お聞きしましょう」
「悪いのはナイフであり、ナイフを作った人が悪いんです」
「……なるほど、見事な論理のすり替えです」
「責任を取れないからって、逃げるおつもりですか?」
「おかげで真実が見えてきましたよ」
「ど、どういうことですか?」

「ここにいるのは貴女と私の二人だけ」
「貴女が犯人でなければ私が犯人である、見事な論法です」
「しかしながら、一つだけ欠点がありました」
「逆をいえば、私が犯人でなければ貴女が犯人であるということです」
「貴女は嘘をついていたんじゃないですか?」
「強引なまでの責任の追及、それが一つの疑惑を私に植えつけました」
「お皿は始めから割れていたのではないのか、と」
「全ては私の推測にすぎません」
「しかしこれらの事実を照合すると浮かび上がる真実」
「真犯人は貴女じゃないんですか?」

「ごめんなさい~!」
「何も無理に責任を取らせようとなくても……」
「だって、悔しかったんです、お皿を割ったぐらいでこんな」
「事情を鑑みる余地はありますが、無理矢理はいただけません」
「……すみませんでした」
「ですが、貴女となら喜んで責任を取らせてもらいますよ」
「あっ……」
「いけませんでしたか?」
「そっ、そんなことないです」

「しかし、いつ出られるんでしょう、ここから」
「死ぬまでずっと一緒です」
「不吉な事を言わないでください」
「じゃあ、死んでもずっと一緒です」
「……それも悪くないかもしれませんね」

FIN

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最終更新:2009年08月18日 17:43