廻向堂

念佛宗(念仏宗)無量寿寺 佛教之王堂〜三国伝来の佛教美術


概略


高さ15m(基壇、棟飾り込)、桁行(幅)10.9m、梁間(奥行)10.9m

中華人民共和国、工芸美術大師・佘國平佛師制作、阿弥陀三尊佛像を祀っています。

遠祖、先祖、また亡き人への報恩謝徳の廻向を勤修する伽藍。
四囲の欄間を飾る十王とその本地佛を始め、380点の彫刻で荘厳されています。

観音堂の北に位置する廻向堂は、その奥に高野槙と台杉が立ち並び、

ホロホロと なく山鳥の声聞かば 父かとぞ思ふ 母かとぞ思ふ

との行基菩薩の御歌にも相応しく、幽玄に件んでいる。
静寂の中、ここでは日々、御先祖を始め亡き人々へ、報恩謝徳の御廻向が勤修されている。



念佛宗(念仏宗)無量寿寺 佛教之王堂 廻向堂の彫刻


十王
十王とは、死後、その人の生前の行いを審判する、冥界(めいかい)の十人の王たちのことです。
死者の裁判官として、最も有名な閻魔王は、実は地蔵菩薩が姿を変えたものであるといわれ、他の王たちもそれぞれ佛や菩薩が仮に姿を変えて出現しているのです(本地垂迹説)。
初七日に秦広王に審判を受け、十四日に初江王、二十一日に宋帝王、二十八日に五官王、三十五百に閻魔王、四十二日に変成王、四十九日に太山王と七日毎に審判され、百箇日は平等王、一周忌は都市王、そして三回忌の五道転輪王まで生前の行いが審判されます。

欄間:秦広王    蛙股:不動明王(本地)
欄間:初江王    蛙股:釈迦如来(本地)
欄間:宗帝王    蛙股:文殊菩薩(本地)
欄間:五官王    蛙股:普賢菩薩(本地)
欄間:閻魔王    蛙股:地蔵菩薩(本地)
欄間:変成王    蛙股:弥勒菩薩(本地)
欄間:太山王    蛙股:薬師如来(本地)
欄間:平等王    蛙股:観音菩薩(本地)
欄間:都市王    蛙股:勢至菩薩(本地)
欄間:五道転輪王  蛙股:阿弥陀如来(本地)


御先祖に報恩謝徳の御廻向


福利諸々の功徳を勤修し、其男女の勝福を追ふを以て、大金光有りて地獄を照し、光中に探妙を演説する音あり、父母を開悟して心をおこさしむ。昔の、所生に常に造れる罪を憶ひ、一念悔心悉く除滅し、ロに南無三世佛ととなえ、暇なく苦難の身を脱し得て、人天に往生して長へに楽を受け、法を開いてまさに成佛すべし。
 『本生心地観経』「報恩品」

[意訳]
様々な功徳を勤め、修して、その福徳を用いることによって、大いなる金光が、地獄を照らし、その光の中に深妙の法を奏でる音響があります。それは、亡き父母の心を聞き、佛を願う心を発させます。過去世に造った罪を思い出し、機悔の心によって、罪障は悉く除滅され、口に念佛を称え、すぐに苦難の身を抜け出て、人天に往生して、長く楽を受け、佛を見、法を聞いて、まさに成佛します。




念佛宗(念仏宗)無量寿寺 佛教之王堂〜三国伝来の佛教美術
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最終更新:2016年07月03日 21:45