ミズキは何の躊躇いも無く、淡々と言葉を吐き出した。    死……その言葉が何を意味するか俺にも分かっていた。    としあきが二度と動く事はない。  ただの冷たい物になったのだから。  先ほどまで当然のようにあったものがこの瞬間に消えた。命とは何と儚いものだろうか。そして、その儚いものを奪った張本人は目の前にいる少女に相違はなかった。  少女……ミズキの表情は変わらない。そこに奪った者としての表情を読み取る事は出来ない。ただ、何事もなかったかのように俺を見つめ、あろうことか微笑みをその顔には浮かべていた。  ミズキは笑っていた。としあきの命を奪い、ミズキは笑っていた。   俺は確信した。  目の前にいるのはミズキという名の少女ではない。  ミズキという殻を被ったおぞましい何かであると。  この少女は人ではない。いや、人であるはずがない。    眼前に広がる触手、命を弄ぶ無慈悲なまでの冷徹さ、人とかけ離れた美しさ、判断材料としては申し分無かった。  十分な愉悦を覚えたのか、ミズキの笑顔はこちらへと向けられた。  「さぁ、邪魔者は消えた。あとはあなただけよ……」  ミズキの手が俺の陰茎へと伸ばされる。  「タップリ楽しみましょう。命果てるまで」  抵抗する事無く俺のペニスはミズキの秘所へ豊潤な潤滑液を伴って挿入された。  ミズキの中は信じられないほどに潤い、異物であるはずのものを拒むこと無くスッポリと包み込む。  脳内を強烈な快感が支配する。あまりの刺激に全身の隅々が弛緩する。  ジュブッ! ジュブッ! ジュブッ! グチュッ!グチュッ!  粘膜と粘膜が擦れ合う淫靡な音が静寂の暗闇へと鳴り響く。  グジュッ! グジュッ! グジュッ! グジュッ!  下半身から強烈な射精感が込み上げてくる。俺はもう限界を迎えそうだった。その様子をミズキは感じ取ったのか嬉しそうな声を上げる。  「いいわ! あぁ! もう限界なのね! いいわ! 出して! 私の中にたくさん!!」  その言葉を合図に俺は大量の精をミズキの中に放出した。  「あー! 熱いのが入ってくるー!!」  ミズキの艶ややかな声が響く。  彼女は体中をワナワナと震わせ快楽を享受しているようだ。その瞬間、俺は全身を締め付ける触手の拘束が一瞬、緩むのを感じ取った。だが、今の状態ではどうしようも出来なかった。全てを放出し尽くし、意識が朦朧となる中、ミズキの声が聞こえた。  「あら? まだ生きてるの? 予想以上ね。いいわ、まだ生かしておいてあげる」  それを最後に俺の意識は遠のいていった。 続く