ミズキは俺達の前で惜しげもなく裸体を晒した。  としあきと俺の視線はそれから目を外すことが出来なかった。  絹のように滑らかで汚れ一つない白く美しい肌、繊細でしなやかな手足、わずかばかりの膨らみを見せる胸部、そう、それはもう人間の物とは思えないほど美しく、神秘的だった。  ミズキは膝下までプールの水に浸かり、体を斜めに倒された体勢で触手に手足を縛られている俺達を狂おしいまでに艶やかな表情をしながら見つめていた。しばらく見つめた後、ミズキは俺達のいる方向へと足を進めた。バシャッ!水音と共にミズキはプール内へ移動する。少しずつ、少しずつ俺達の方へ近付いてくる。  その時に俺は感じてしまった…。それは、妖艶さに紛れ、隠れていたミズキ自身から滲み出る恐怖の気配…。  だが、俺にはなすすべがない。もちろん、としあきにもだ。これから行われるであろう事全てをただ受け止める事しか出来ないのだ。 「ふふふ、状況を理解した?お二人さん」  ミズキは俺の前に立つと微笑をしたまま問いかけた。  触手に縛り上げられ、持ち上げられた状態である俺達はミズキを見下ろす形になっていた。ミズキはプールの水を胸のあたりまで浸し、俺達を見上げるような状態だった。すると、ミズキは周囲の触手を足場にして、俺達と同じ目線の位置へと移動し、俺との距離を一気に詰めた。俺の顔のすぐ側にミズキの顔があった。  ミズキはこっちをしばらく見つめた後、なんと手を伸ばし俺の股間に触れてきたのだ。 「な、なにを!!」  突然の出来事に俺は思わず驚いて声を上げてしまった。そのような様子を見て、ミズキは微笑を崩さぬまま俺に話し掛けた。 「あら?分からない?これからどうなるかが?」  その声を境にミズキの微笑は次第に妖艶なものへと変化し、俺の股間を愛撫するように触り始めた。 「くっ…」  服の上から触られているとはいえ、ミズキの繊細な指使いは俺に信じられない程の快感を与えた。 「ふふ、気持ちいい?ほら、もうこんなになってる」  そう言いながらミズキは怒張した俺自身を指で弄ぶように愛撫する。それもさっきのようなもどかしい愛撫ではなかった。 「あっ…うあっ…」  強烈な快感が俺の中を走り抜ける。怒張が止まらない。ズボンの中で俺自身が窮屈そうに悶えている。  そういう様子を察したのか、ミズキは一瞬、手の動きを止めたと思うと、急に俺の衣服を素手で剥ぎ始めた。  ビリッ!ビリリリ!  何の道具も使わずに素手で俺の衣服を引き裂き、剥いでいくミズキ。もう衣服は上、下とも体を覆う布きれでしかなかった。  俺は衣服を剥がれ、何も着ていない状態になった。 「苦しそうにしてたから解放してあげたわよ」  ミズキはそう全裸の俺を前に喋り掛けた。たしかに、俺の股間は解放されたのを喜ぶかのように怒張を続けていた。  その様子を淫らな笑みで見つめながら、ミズキは俺のものに直接手を触れる。  「さぁ、かわいがってあげる」  その言葉を皮切りに執拗な愛撫を続けた。  さっきまでのもどかしい触るだけの愛撫とは違い、陰茎全体を手のひらで包み、激しく上下し始めた。服の上から触られていた時とは段違いの快楽が俺を支配する。ただ快楽だけが俺の思考を駆けめぐり、血、脈動が下半身に凝縮していくのを俺は感じた。  ジュブッ!ジュブッ!  先走り汁がミズキの手と俺自身を淫らに濡らしていく。  何も考える事が出来ない。俺は快楽に身を任せ、流されていた。  すると、急にミズキは愛撫していた手を止め、俺のものから手を離した。  「!!」  快楽に支配されていた俺の思考に意識が戻った。  戸惑いを見せている俺の顔を見つめ、ミズキは言った。 「あなた、なかなかいいものを持ってるじゃない。楽しみは最後に取っておくわね」  そう言い放つと、ミズキは俺から距離を取った。  そして、向きを変えると今度はとしあきの方へと近付いていった。 「ミズキ!一体何を!」  俺は一心不乱にミズキに大声で問いかけた。すると、ミズキは俺の方を向き、言った。 「あなたはメインディッシュ。まずは前菜としてこの子を頂く」  そう言い放つと同時にミズキはとしあきの衣服を俺の時と同様に素手で剥いでいった。  ビリッ!ビリッ!  俺からはミズキの前に全裸で触手に縛られたとしあきが見えた。としあきは動揺していて声一つ上げる事が出来ない状態のようだった。そんなとしあきを前にして、ミズキは言った。 「さぁ、始めましょうか」  ミズキは触手によって斜めの体勢にさせられたとしあきの上に跨るような姿勢で近付いた。としあきの陰茎も俺のようにすでに怒張しきっていた。ミズキはその怒張に手を添え、己の濡れそぼった秘所に屹立をあてがう。そして、ミズキはその屹立を何の躊躇いもなく己の秘所へと埋没させていった。  ズブッ!ズブブブブッ!  淫らな粘液の音が夜の闇へ響き渡る。  ズブッ!ズズズズズ! 「あぁん…ふぁ…あぁん!」  ミズキの隠すこともない嬌声が静寂の月下で木霊した。  ズズズズッ!  「あぁ!!あぁぁぁぁん!!」  ミズキは一際大きな嬌声を上げ、秘所が屹立を根本まで飲み込んでいった。 「あぁ…いいわ。この感触…。あぁ…たまらない」 「くっ…」  としあきが声に鳴らない呻き声を漏らす。それを聞いて、ミズキはとしあきに淫らな笑みを投げかけ言った。 「さぁ、あなたの精を私に頂戴」  それを合図にするかのようにミズキはとしあきの屹立を飲み込んだ状態で腰を激しく上下し始めた。  ジュブッ!ジュバッ!ジュバッ!  としあきとミズキは輝く月の光を背浴びながら、ただひたすらにお互いの性器を交え合っていた。 「あぁん!あぁぁぁぁ!」 「うっ…うあっ…」  ズパッ!ジュバッ!ジュバッ!  静寂に支配された闇夜に男女の喘ぎ声と双方の粘液が激しく擦れ合う音だけが轟いていた。 「いい!いいー!もっと!もっと!」  ミズキの悩ましい声が響き、腰の動きがさらに速く、大きくなる。  ジュブッ!ジュブブッ!ジュブッ!ジュブッ! 「いい!いい!あーん!」  ミズキの腰の動きは落ちるだころかますます激しさを増していく。 「もう…だめ…で、出る…出る!」  としあきが呻くように声を出した。その声を聞いてミズキはとしあきに言葉を掛けた。 「いいのよ!出して!私の中にたくさん精を出して!」  ジュブッ!ジュブッ!ジュブブブブッ!ジュバッ! 「あー!出る!出る!うあっ!」  としあきの絶叫が聞こえた。  それと同時にとしあきの陰茎から大量の白濁液がミズキの秘所へと注がれた。 「あぁぁぁん!ドクドクしてる!もっと!もっと!」  としあきの白濁液は全てミズキの秘所へと飲み込まれていった。 「うふふふ、ごちそうさま」  ミズキはそう言い放つと、としあきを縛っていた触手を解き放った。  ザバーン  としあきの体がプールの水へと滑り落ちていくのが見えた。 「としあき!!」  俺はとしあきに大声で呼び掛けた。  しかし、としあきはいつまで経っても俺の呼び掛けに答える事はなく、生気の無い姿でただプールをプカプカと漂っていた。 「と、としあき!どうしたんだよ!返事してくれよ!」 「無駄よ」  俺の問いかけをミズキは無情にも遮った。 「ど、どういうことだ?」  俺はミズキの方へ視線を移した。ミズキはとしあきがいた場所から離れると俺の目の前へと移動してきた。 「無〜駄。だって、あの子はもう動かないんだから」 「!!」  ミズキの言動に俺は動揺を隠せない。  う、動かない…?つ、つまりそれって…。 「死んだって事よ。彼は」                                       続く