「くぅ……」
 薄暗い地下室の中、鎖に繋がれたポケモンが低く唸った。
 身体を包む、炎のような赤い毛皮や、普通のポケモンとはまるで違う鋭い目つきは、こうして捕まった状態であっても、彼の威厳を保っていた。
 鋭い眼光で周囲を見回しながら、自らの首に嵌められた鉄製の首輪を、忌々しげに前足で引っ掻いた。
 彼は、ジョウト地方に伝わる伝説のポケモン、エンテイである。首輪から伸びる一本の鎖など、本来なら拘束具として意味など成さないはずだった。
 だが、捕まって眠らされている間にその首輪を取り付けられてから、彼の力はそのほとんどを無効化されてしまっていた。
 それがどんな仕組みなのか、彼には知りようも無かったが、今の彼はコラッタにも勝てるか分からないほどその力を弱体化されていた。
 外見こそ伝説のポケモンとしての威厳を保っていたが、今の彼ではどんな仕打ちを受けようとまともな抵抗すらも出来ない。
 やがて、古めかしい扉が金属の擦れる音を立てながら、ゆっくりと開く。
 自分の方へと向かって歩いてくる白衣の男を、エンテイはキッと睨みつけ、低い唸り声を上げた。
「そんな怖い顔するなって」
「貴様ッ!」
 力を失ったエンテイを見下すようにして、白衣の男が言った。
 伝説のポケモンとしての誇りすら失わせようと言う挑発に対して、エンテイが取りうる行動も一つだけだった。
 巨体が跳ね、男へと向けて飛び掛ろうとする。だが、それよりも早く男は白衣のポケットに手を突っ込み、その中にあるスイッチを押す。
――ギュルルッ!!
「ぐぅぇ……ッ!?」
 エンテイの首輪へと繋がる鎖が、壁の中へと巻き込まれていく。飛び掛ろうとしていたエンテイは、カウンターのように首を締められる結果となり、うめき声を上げながら、反動のままに地面に倒れた。
 白衣の男が、エンテイの顔を靴底で踏み付けながら、その顔を覗き込んだ。未だに咳き込み、口からは涎が垂れている。余程苦しかったようだ。
 エンテイに残された僅かばかりの力では、その足を振り払う事すらも出来ない。
 無抵抗に蹂躙される以外の選択肢など持ち合わせては居ない、哀れなポケモンへと、白衣の男は……

「貴様ッ…この……」
「抵抗は無駄なの分かってるんだろ。無理するなって」
 伝説のポケモンとしての意地もあるのだろうか、顔を踏み付けられ、床に突っ伏す屈辱的な姿を見せながらも、エンテイは相変わらずの鋭い眼光で、白衣の男を睨みつけていた。
 その意地っ張りな態度に、男は少し迷惑そうに首を横に振ると、エンテイの顔から足を退けた。
 ようやくの開放にエンテイが小さく息を漏らしながら顔を上げる。だが、間髪を入れずに男が次の行動へと移った。
「ぐぅっ……!」
「コラッタじゃないんだから、人間一人ぐらい平気だろう」
 エンテイの背に飛び乗り、体重をかけながら尻尾を掴んで引っ張る。
 尻尾を捕まれる不快感と、人が一人乗っただけの筈なのに、立ち上がることも出来ない重みに耐えて、エンテイが呻いた。
 尻尾を引っ張ると、それに隠されていた肛門が露になる。自分の下敷きになってプルプルと四肢を震わせているエンテイを見下ろしながら、男は白衣の懐に手を突っ込んだ。
 透明の粘液が入った小瓶を取り出して、それを自分の指に絡ませると、エンテイの肛門へとまずは人差し指を挿入した。
「な、何を……ッ!?」
「尻に指を突っ込んでるんだよ。まずは開発する所から始めないとな」
 ローションを直腸の粘膜へと塗りたくるようにして、突っ込んだ人差し指を動かし、穴が拡がれば、次々と指の本数を増やしていく。
 時折り肛門から指を抜くと、拡がった入り口や、その下辺りにぶら下がっている玉袋を指先で突付いた。
「ぐぅっ……ぬぅ…ん……ッ!」
 エンテイは床に爪を立てて引っ掻きながら、歯を食いしばってその行為に耐えているようだった。
 指を入れられたのは初めてなので、気持ち良さそうにしている様子は無いが、痛みを感じているようでもない。
 これはいい調教素材だなと、白衣の男は面白そうに笑って、直腸を指先で探る内に見つけた、エンテイの前立腺を刺激し始めた。
「がぁあ、貴様ぁぁっ、何をッ……!!」
「ビックリしたか? 良い反応がもらえて俺も嬉しいよ」
 赤い毛皮に包まれた巨体が、ビクン、ビクンと震え、送られてくる刺激が快楽である事を否定するように、エンテイが叫んでいた。
 男が再度指を抜く頃には、彼の手はローションとは別の、エンテイの直腸から滲み出る透明の粘液に塗れ、エンテイ自身も、ペニスを半勃ちにして、先走りを流していた。
 根が淫乱のようだと、エンテイを嘲笑いながら、白衣の男が次の行動へと移る。

 ポケットの中のスイッチを伸ばして、先程巻き上げられていた鎖を、今度は延長していく。
 そしてその鎖を引いて、引き摺るように部屋の隅へと連れて行く。
 そこは四角い窪みと蛇口、排水溝が設定されている。今日からそこが、エンテイのトイレだった。
 お尻の下準備も済んだところで、次はトイレの躾をしなくてはならない。
 白衣の男が何をしようとしているのか、想像が付かずに、エンテイは怪訝な表情を浮かべていた。
 男はエンテイの後ろに回ると、右の後足を掴んで無理矢理上げさせる。
「やめろ……ッ!」
 エンテイが暴れようとするのだが、今の彼の力では、人間一人相手にも歯が立たない。
 イヌ科のポケモンが排泄時にするように、壁に向けて片足を上げて、男性器をぶらぶらさせていた。
「おしっこの時間ですよー」
「貴様ッ、愚弄する記か!? 誰が貴様の思い通りにするものか!!」
 すっかり萎えてしまったペニスを、手で掴まれ、排水溝へと狙いを定めながら、男は赤ちゃんを相手にするような口調でエンテイを挑発した。
 当然、エンテイは頭に血を上らせながら叫ぶ。だが、彼の力は相変わらずであり、屈辱的なポーズが終わるわけでもない。
 男もエンテイの反応を見越していたのか、エンテイの右後足に枷を嵌めて、脚を上げた状態で壁に固定してしまう。
 そうなると、エンテイは犬のおしっこのポーズのまま、身動きをとることも出来なくなってしまった。
 背後からエンテイの玉袋や肛門を弄くりながら、男が面白そうに言う。
「これから小便する時は、こうしてなきゃ駄目なんだよ」
「知るものかッ! 貴様、殺してやる……!」
 エンテイの雄叫びが、狭い室内に木霊するが、彼の今のポーズを見ながらでは、笑いしか込み上げて来ない。エンテイの無様な姿を思う存分笑いながら、男はエンテイの玉袋に手を添える。
 ちゃんと言う事を聞かないペットは、きっちり躾けなくては。エンテイの後姿を眺めながら、その玉袋にギュっと力を込める。
「――ガァアアアアアッ!??」
 再度エンテイの叫びが室内に響いた。だが、今度は威嚇ではなく痛みから来る叫びだ。
 いくら伝説のポケモンであっても、睾丸を強く握られれば、痛みに叫びたくもなるだろう。
 力をゆるめずに、男はエンテイへと、その体制のまま小便を済ますように促す。
 エンテイは苦しそうに呻いたり、叫んだりしながらも、何度も首を横に振った。
 そんな本物の犬のような真似は、伝説のポケモンとしての意地が許さないのは分かる。だが、だからこそその意地を砕きたくなるものだ。
 男はエンテイの玉袋から手を離すと、懐から利尿剤を取り出して、それをエンテイの口の中へと押し込んだ。
「何を……ふがっ……ん…ッ」
 よく分からない薬を、エンテイは吐き出そうとするが、男が彼の鼻を塞ぎ、それを食い止める。
 口での呼吸と同時に、二つの錠剤はエンテイの喉へと飲み込まれていった。
 ほどなくして、エンテイの表情が、苦しげなものへ変わっていく。
 かつて感じたこともない程の尿意に見舞われて、今すぐ排泄したいと言う欲求に襲われる。
 だが、脚を上げたイヌ科の排泄のポーズを、あの男が後ろから見ている。
 無様に小便を漏らす姿を、絶対に見られるわけには行かない。膀胱に痛いほどの膨らみを感じながら、エンテイは歯を食いしばって耐え続ける。
 その忍耐力は、ひとえにエンテイの持つ意地のお陰だったのだろうが、我慢し続けるエンテイを見るのに飽きた男が、ゆっくりと立ち上がる。
 すでに限界点など通り越し、ぽたぽたと黄色い滴を垂らす男性器を、指先でつーっとなぞり上げた。
「あがぁあああっ」
――じょぼぼぼぼ……
 その刺激が決め手となったのか、ついにエンテイは脚を上げたまま、呻き声を上げて排泄を始める。
 エンテイのペニスから弧を描いて小便が飛び、排水溝の窪みへと落ちていく。
「本当に犬みたいだな。ワンワン鳴けるか? と言うか泣きそうか?」
「貴様ッ、貴様ッ、……ッ!!」
 一度出始めてしまった小便を、途中で止める事も出来ずに、エンテイはひたすら憎い相手へと振り向き、睨み続けていた。
 反抗的な態度だ。男は溜め息を付きながら、平手でエンテイの尻を叩く。パンッと小気味良い音が響き、エンテイの尻がかすかに赤くなる。
 小便を全て出し終わるまでスパンキングは続き、尻を真っ赤に腫れ上がらせたエンテイは、瞳に涙を溜めながら、荒い呼吸を繰り返していた。
 強靭なエンテイの心も、少しずつ磨り減っているようだ。調教は中々順調に進んでいる。次は……

 エンテイの右後足の枷を外すと、彼は支えを失って、そのままドッと床の上に倒れ込んだ。
 鋭い眼光は失われ、その身に纏う威厳も、今の彼の実力に見合ったものになりつつあるようだった。
 飛び跳ねた小便で出来た水溜りが、毛皮に染み込んで行くのも気にせず、エンテイは荒い呼吸を続けていた。
 だが、まだまだ休ませてやる予定はない。エンテイの頭の毛皮を掴み、床に伏した顔を無理矢理上げさせる。
 目に見えて焦燥した表情を浮かべるエンテイへと優しく語り掛ける。
「トイレの躾けも終わったし、次は芸を仕込む番だな。とりあえずほら、立てよ」
 ポケットの中のスイッチを押して鎖を巻き上げ、エンテイを立ち上がらせる。
 鎖に引かれながら、エンテイは重い足取りで元の位置へと戻って行った。
 壁際にエンテイを立たせながら、男がただ一言、「チンチン」と命令する。
 エンテイはその言葉の意味を咄嗟に理解する事が出来ず、呆然と相手を見詰めた。
 それが、きっと自分のプライドを打ち砕くための命令とは思いながらも、それを理解し、実行しなければ、更に苦しい思いをしてしまう恐怖心が、確実に彼の心に芽生え始めていた。
 捕まったばかりのときなら、無視して不貞寝でも決め込んだのだろうが、エンテイは不安そうな表情で、男の命令を頭の中に響かせる。
 それが、人間が犬に対して仕込む芸の一つだと気付くのに、しばらくの時間が必要だった。
 そして、気付いた瞬間、やはりそれは自分のプライドや意地とは、相容れぬ行為だと言う事実が付きつけられる。
 男が再度「チンチン」と命じる。彼には、首を縦に振る事は出来なかった。まだ失われていない、一握りのプライドがそうさせる。
 しかし、だからと言って反抗の意を示すほどの余力も、今の彼には残っていなかった。
 黙って視線をそむけ、命令を聞くのでもなく、反抗するのでもなく、立ち尽くす。
 まるで、親に叱られる子供のような、伝説のポケモンとは無縁の反応である。男は満足気に笑いながら、スイッチを押して鎖を巻き上げ始めた。
「クゥ……ッ」
 鎖はどんどん短くなっていき、四つん這いのままでは、首が絞まってしまうほどになっていく。
 エンテイは仕方なく壁に寄りかかりながら、後足だけで立ち上がった。鎖はなおも巻き上げられ、エンテイはその姿勢で固定されてしまう。
「おお、チンチン上手じゃねぇか。トイレも芸も一発で覚えて、賢いワンコだな」
 褒めたような言葉の裏には、明らかな軽蔑の色が含まれている。
 伝説とまで言われるポケモンが、こんな風にただの犬同然の醜態を晒しているのだ。
 エンテイは力なく首を横に振る。現実を否定するかのような動きだった。だが、目の前の光景は消えてはくれない。
 男がエンテイへと向けて、片手を差し出し「お手」と命じる。
 恐怖と絶望感から、エンテイは思わず片手を差し出しそうになるが、何とか踏みとどまり、眉間に皺を寄せて唸る。
 最後に残ったなけなしの意地とプライド、勇気を寄せ集めて、男へと反抗するのだ。
「貴様ッ、この私に……ッ、この報復は必ずするぞ……!
貴様に私以上の屈辱…を、お――ッッ!!?」
 低く良く響くエンテイの声は、怒りに満ち、報復してやるという気持ちが、申し分ないほどに伝わる程だった。
 だが、男はそんな事には興味もないようで、エンテイの言葉を遮って、自分の方へと向けられている、エンテイの玉袋と竿を踏み付ける。
 靴底でグリグリと押し潰すようにすると、利尿剤の効果が残っていたのか、エンテイは失禁して、股の下に黄色い水溜りを作った。
「ハヒッ……ッ、ヒッ……!?」
「ほら、お手」
 痛みに身体を引き攣らせ、絶句しているエンテイへと、男は右手を差し出す。
 エンテイは黙ってその手へと、自分の右前足を重ねた。「おかわり」と命じられると、すぐに左前足を差し出す。
 従順に芸をするエンテイに満足すると、ようやく男はエンテイの股間から足を離し、鎖を元の長さに戻す。
 自分で作った水溜りの上に倒れたエンテイが、無意識に取っていたのは、犬の芸で言うところの“降参”のポーズだった。
 身体を恐怖に震わせながら、性器を隠すように尻尾を股に挟み、両前足で顔を覆って縮こまる。
「頼む…、もう…やめてくれ……頼む……、私はもう……」
 もはや威厳の欠片もない姿と、脅えるように震えた涙声で、エンテイが混乱する。
 顔を覆う前足を蹴飛ばして退けると、エンテイはその両目からとめどなく涙を溢れさせていた。
 男がエンテイの頭に手を伸ばすと、彼は「ヒッ」と小さな悲鳴を上げて、その身をさらに萎縮させるのだった。

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最終更新:2009年05月17日 03:21