小話メドレーその1『機動六課VSナンバーズをワンピース風にしてみた~シグナムとディード編~』

 時空管理局は地上本部、その最深層ビルの一室でシグナムはディードと対峙していた。一人掛けのソファに深く腰掛ける相手にシグナムはレヴァンティンを鞘から引き抜く。
「もう剣を抜いてるんですか?」
「血を吸いたいと唸るのでな」
 不敵に笑むシグナムにディードは嘆息。
「……恐ろしい人ですね」
 そしてソファから起立、左右の腰に下げられた棒状の機械を手に取る。そして、
「IS、ツインブレイズ」
 宣言と共に一対の機械が光の刀身を形成した。それを見るシグナムは関心した様な表情を作る。
「二刀流か」
 直後、ディードの両足が振り抜かれた。高速の振り抜きが大気を叩いて切断力を作る。
「……ッ!」
 切断力の標的となったシグナムはレヴァンティンをもって迎撃、逸らされた力は左右の壁を切断する。舞い上がった粉塵の向こうにシグナムは微笑するディードを見た。
「――すみませんが、四刀」
「問題ない。そう言えば全身が機械兵器だったな、お前達は」



小話メドレーその2『機動六課VSナンバーズをワンピース風にしてみた~ヴィータとウェンディ編~』

 最深部ビルを走るヴィータとフェイトは廊下に横たわる人影を見た。
「な……エリオ!?」
 それは満身創痍の身で五体倒置する槍騎士の少年だ。駆け寄ったフェイトが手当てを始める。
「……ふぇ、いとさん……ヴィー、た、ふくたいちょぅ……っ! すみません、ま、ゲっ、ました……っ」
「良いから! 喋らないで!!」
 涙目で治癒魔法を起こすフェイト。だがヴィータが見るものは違う。鉄槌の騎士が見るのは、上の階からこちらを見下ろすウェンディの姿だ。嘲笑する戦闘機人を睨みながらヴィータは、
「おいエリオ、本当に勝てなかったのか?」
「……!!」
「まともに戦ったのか?」
「エリオ、まさか……」
 ヴィータが確認する意味合いにフェイトが戦慄する。ヴィータはかぶりを振って、
「お前は女に甘いからな」
「……負げで……っ! ずみませんでした……」
「違ぇよ!! そんな甘っちょろい事言って死にかけたんだぞお前は!! こんな目にあってもまだ貫くのか!?」
 ヴィータの叱咤、だがエリオは己の志を折らない。
「…別に……! 死にだい訳じゃありません…っ! ただ女性を傷付げなっ、いのがっ、僕の目指す“騎士”だから!!」
 顔を血で彩ったエリオの表情は壮絶。
「――だから僕は!! 死んでも女性を傷付けない!!!」
 少年の気迫にフェイトは口を閉ざし、ヴィータは頭を振る。
「……馬鹿が。傷付けらんねぇっつうなら退けよ。無駄に死ぬ事は話が別だぜ」
 だが上げられた顔には一種の納得がある。そして再度ウェンディを見据え、ヴィータは己の意思を届けた。
「アタシはコイツほど優しくしねぇぜ!!」
「私もっスよ。気が合いそうっスね」



小話メドレーその3『機動六課VSナンバーズをワンピース風にしてみた~スバルとノーヴェ編~』

「――スバル!」
 最深部ビルの大食堂、そこでノーヴェと対峙していたスバルに声がかけられた。振り向く先に立っているのは、腕一杯にアイスを抱えたティアナだ。
「受けとんなさい!!」
「! ティア、ありがとっ!!」
 ティアナが無数のアイスを投げつけ、スバルは跳躍してそれをつかみ取る。だが、
「下らねぇ事してんじゃねぇ!!」
 相対するノーヴェがガンナックルを起動、光の散弾を放ってスバルを墜落させる。
「スバルっ!?」
 瓦礫に沈む青の少女を呼ぶティアナの叫び、だが次の瞬間に響いたのは、
「ん――――――――! スゥ―パァ―――――――ッ!!!」
「!?」
 瓦礫を跳ね飛ばして立ち上がるスバルの咆哮だ。
「ハン、アイス食ったらどうなるっつんだ!」
 ノーヴェが嘲りを叫び、だがスバルはそれを聞いた風も無くリボルバーナックルを構える。
「……ガードした方がいいよ」
「馬鹿か? またヘナチョコパンチをうつ気……」
 ノーヴェが言い終えようとした瞬間、その懐にスバルの姿があった。
「リボルバーシュート!!!」
「!!!?」
 砲撃と拳撃の多重攻撃がノーヴェを遥か後方に吹き飛ばした。
「悪かったね。さっきまでの私の拳は――確かにヘナチョコだった」



小話メドレーその4『機動六課VSナンバーズをBLACH風にしてみた~ヴィータとクアットロ編~』

「………ぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああっ!!?」
 次第に接近する悲鳴と摩擦音の後、“聖王のゆりかご”の一室に忽然と空いた穴からヴィータが滑り出た。
「……ちくしょー、何だあのデケー落とし穴…。どこだここ……?」
 激突した尻をさすりながらヴィータは部屋を見回す。そこへ、
『あははははははははははっ! やっだもぅ最高!!』
 拡声器越しの嘲笑が響いた。
『色々と罠は仕掛けてたけど……まさか一番安い罠に引っかかる馬鹿がいたなんてぇっ!』
 どこにいるとも知れない相手の声にヴィータは目つきを絞り、相棒たるグラーフアイゼンを構える。
『あぁんごめんなさーい、怒っちゃやぁよ? ちゃぁんと自己紹介してあげるから』
 誠意のない謝罪と共に部屋の奥から人影が歩いて来た。硬質な足音でやってくるのはケープを羽織った眼鏡の女性。
『一度しか言わないから、貴方の頭で覚えられるといいんだけど。……私は四番目の戦闘機人…』
 歩み寄る戦闘機人がマイク付きのイヤホンを外して告げる。
「ナンバーズ4、クアットロよん」
 不快な笑みを見せる相手にヴィータは凶暴な笑みで、
「てめぇがスカリエッティの戦闘機人を仕切ってる奴の一人か……」
「やぁん、怖い顔しないでぇ? 仕切ってるっていっても私の戦闘力は高くないのぉ。指揮とか研究とか、どっちかっていうとそっちの方が専門で……」
「待てよ、何の勘違いをしてんだ?」
 怒気をまとうヴィータはグラーフアイゼンの先端をクアットロに向け、
「アタシはてめえと喋りに来たんじゃねぇ、ぶっ潰しに来たんだぜ? てめぇの素性なんざ知ったこっちゃねぇ、喋りたきゃアタシに潰されながら勝手に喋れ。――ただし、加減してやる気は無えがな!!」
 叫んでヴィータは鉄槌に命令を下す。
「グラーフアイゼン、カートリッジロード!!」
 ベルカ式最大の特徴、威力強化の弾丸が―――使用されなかった。
「……何、だと?」
「ほぉらぁ、話を最後まで聞かないからよん?」
 沈黙するグラーフアイゼンにヴィータは困惑し、その様子を見続けるクアットロは告げる。
「――この部屋で、魔力を使う事は出来ないわよぉ」
 驚愕するヴィータへとクアットロは見下しの視線を向ける。
「私達は魔力とは違う力で戦えるから問題は無い、ってコ・ト。もう貴方には勝つ術も逃げる術も無いわ」
 それでもグラーフアイゼンを構え直したヴィータに、暴れないでね、とクアットロは呼びかける。
「戦闘機人や人造魔導師以外の擬人を直接見るのは初めてなの、こう見えても興奮してのよぉ? だから暴れないで? ――出来るだけ、完品に近い状態で死んで頂戴」



小話メドレーその5『機動六課VSナンバーズをBLACH風にしてみた~はやてとドゥーエ編~』

 暴走するスカリエッティを捕らえる為“聖王のゆりかご”へと乗り込んだはやて、暗がりの通路を飛行するその先に人影があった。
「――敵!?」
 空中で静止したはやてはシュベルトクロイツを構える。この位置から間に合うか、という思案と共に攻撃魔法を立ち上げ、
「やめてください、主はやて」
 聞こえた声に全ての動きが止まった。瞠目するはやての両眼が見るのは立ちはだかった相手、忘れたくても忘れられない女性の姿だ。
「――リインフォース」
 銀の長髪に赤の瞳、黒い衣装と六翼を持つその女性は、はやてが先代リインフォースと呼ぶ姿だ。
「な、なんで……」
「何で? それが解らない訳じゃ無いでしょう?」
 微笑むリインフォースははやてを指差し、
「私はリインフォース、かつて闇の書の意思と呼ばれていたユニゾンデバイス。そして貴方は八神はやて、――私を救えず、見殺しにした女」
 告げた言葉が八神はやての表情を漂白する。あらゆる感情が麻痺し、緩やかに飛行魔法が解かれて着地する。
「解りましたか? 私が貴方の前に現れた理由に」
 リインフォースが右腕を大きく振り、その周囲に無数の紅い短剣を出現させる。
「私に殺される覚悟はありますか、主はやて。――自分が殺した従者への償いに、命を差し出す覚悟がありますか?」
「ある」
 張り詰める空気の中ではやては即答した。豪気の瞳がリインフォースに向けられる。
「……けどまだ、それは出来へん。――私はリインフォースを救えなかった。それは……何十年経っても償えないと思ってる。私を殺してリインフォースの気が晴れるなら、喜んでこの命を差し出す……でも」
 はやては視線を、意思を揺るがせない。
「私は今この“聖王のゆりかご”にヴィヴィオを、仲間を助けに来てる。――ヴィヴィオを助け出す迄はリインフォースが何て言っても、この命を差し出す訳にはいかへん……!!」
 デバイスを構え直したはやては臨戦態勢、戦闘必至の空気に通路が震える。そしてリインフォースは唇を開き、
「すみません、冗談です」
 満面の笑顔で両手を上げた。周囲の短剣も消失する。
「……え……?」
「冗談ですよ。確かに貴方に償って欲しいと思ってますが、その為に貴方を殺そうなんて馬鹿な事する訳ないじゃないですか」
 虚脱するはやてにリインフォースは歩み寄る。
「貴方にしか出来ない事があるんです」
 目前に迫ったリインフォースがはやてを抱き締めて耳元で囁く。
「貴方が本当に償いたいと思っているなら、やってもらいたい事があるんです」
「……やって、もらいたい事?」
「はい」
 焦燥するはやてにリインフォースは微笑みかけ、
「――貴方の部下、全員の首を持って来て下さい」
「―――――――――」
 はやては両眼を見開いて息を飲む。
「大丈夫です。貴方なら全員の能力も弱点も知ってるでしょう? 隙をつけば難しい話ではありません。――そうすれば、貴方が私にした事は全てなかった事にしてあげますよ」
 この上もなく明るい笑みと声がはやてへと向けられる。だが、
「……主はやて?」
 はやては一切の反応を起こさない。俯いたまま身動き一つせず、
「……今度は、“冗談”って言ってくれないんやね」
「…主はや……」
「当然やね。“自分を見逃す代わりに仲間を差し出せ”なんて、そんな事冗談で言う分けない……」
 密接するリインフォースを突き飛ばし、はやてが向けるのは激昂の視線。
「リインフォースを、馬鹿にするな……!!」
「―――……何を?」
「アンタがリインフォースな訳ない! リインフォースが……自分と仲間を秤にかける様な事を言う訳ない!! ……私が、ヴォルケンリッターの皆が、心から愛したリインフォースは、そんな子やない!!!」
「待って下さい主はやて、何をおっしゃるんですか」
 リインフォースは傷付いた様な表情と切実な身振りで、
「私はリインフォース――――」
「その名前は二度と口にするな!!!!」
 一瞬の魔法構築、シュベルトクロイツより放たれた閃光が通路を走り、床や天井を砕き、曲がり角の壁を貫いた。
 やがて光が止み、後には粉塵と瓦礫の道が残された。穴の空いた壁から外気と日光が差し込む。そして、
「あーあ、全力で攻撃してくれたわね」
 軽薄なリインフォースの声が響いた。粉塵と日光の中から現れたその姿は、輪郭の歪んだ人ならざる容貌だ。
「――な…何や、アンタ……!?」
「ふふ、はがれちゃったわね」
 じゃあ仕方ないな、という“リインフォースだった者”は、僅かに残っていたその面影を振り払った。そうして現れるのは、金の長髪をした妖艶な戦闘機人。
「改めて自己紹介するわね。――私がナンバーズ2、ドゥーエよ」



小話メドレーその6『なのはとヴィヴィオの戦いを仮面ライダーブレイド風にしてみた、の図』

 轟音と閃光が響き、“聖王のゆりかご”を高町なのはの砲撃が貫いた。幾層の壁を抜いた先で砲撃はナンバーズ4、クアットロを撃ち抜いただろう。
「……ヴィヴィオ」
 最後に残された黒幕を倒し、なのはは眼前に立ち誇る少女を見た。黒の騎士甲冑にサイドポニーの姿は、レリックによって戦闘形態となった愛し子、ヴィヴィオだ。
「もう、戦う必要は無いんだよ? 悪い人はみんな捕まえたの、ヴィヴィオを戦わせてた人はいなくなったよ? だから、だからもう……」
 哀惜の声と表情、だがそれを遮ってヴィヴィオの攻撃がなのはに迫った。展開した障壁で受け止めるも、なのはの身が後方へと吹き飛ぶ。
「……ヴィヴィオ、何で……」
「駄目なの。ヴィヴィオの体は、もうどうにもならない。攻撃を受ける度にヴィヴィオは一匹の獣に戻り、戦う事しか考えられなくなる」
 答えるヴィヴィオの顔には悲哀がある。哀惜がある。涙がある。そして、なのはを食い殺そうとする狂気がある。
「そんなヴィヴィオを倒せるのは、……もうママだけなの!!」
 叫びが一室に木霊した。最早戻れないと、最早救えないと、闘うしかないという叫びが。
「――ナンバーズは全て倒した。…貴方で最後なの、聖王ヴィヴィオ!!!」
「――ヴィヴィオとママは、闘う事でしか解り合えない!!!」



小話メドレーその7『第一期の終盤でフェイトがなのはを助ける場面を仮面ライダーSPIRITS風にしてみた、の図』

「――なのは!!」
 ユーノの叫びになのはは迫る危機を知った。彼の拘束を破った傀儡兵の一体が迫って来たのだ。
「……!」
 鋭い爪がなのはに向けられ、生命の危機に思わず目を瞑った。その瞬間、
「――サンダー、レイジ!!」
 覚えのある声と共に雷光が降り注いだ。光の柱にも似たそれが傀儡兵を消炭にする。
 そして雷光を撃ち下ろした少女が、なのはが友でいたいと語り続けた相手が、なのはの側まで下りてくる。
「……フェイト、ちゃん」
「――ごめん、なのは。遅くなった」
 律儀に謝る黒装束の少女をなのはは一笑する。
「…ばぁか」
 親しげに語らう二人、だがその周囲を百に及ぶ傀儡兵が取り囲んだ。
「敵は多いね、なのは。……いや、大した事は無いか。今夜は私となのはで、ダブル魔法少女だからね」



小話メドレーその8『スカリエッティとナンバーズを仮面ライダーカブト風に登場させてみた、の図』

 公開意見陳述会が行われる地上本部、難攻不落の城へと膨大なガジェット達が迫った。
「……こ、のぉッ!!」
 スバルのリボルバーナックルがガジェットを破砕する。その周囲で仲間達も同様の成果を上げるが敵機の数は依然として膨大。
「なんなの、この数……? 一体どうしてこんなにガジェットが……」
 動揺に呟くスバル、その耳に硬質な足音が届いた。幾重の重なりは数人がこちらへと向かう音だ。
「……あれは!!」
 振り向いたスバルは5つの人影を見た。節々に装甲を備えたスーツを着た女性、それを左右に二人づつ引き連れて白衣の男が歩み寄って来た。
「じ、くぅ~管理局の諸君っ! 今回はアインヘリヤルなどという詰まらない物を開発してくれたようだねぇ!?」
 狂気の笑みを見せるその男をスバルは知っている。
「――ジェイル、スカリエッティっ!!」
 スバルはマッハキャリバーを駆使、高速の接近を持って男を殴りつけようとした。だが、
「……ハっ」
 鼻で笑うスカリエッティ、その緩やかな動作がスバルの拳を避けた。
「はぁ―――ッ!!」
「―――!!?」
 そしてがら空きになったスバルの胴、そこへスカリエッティの拳が連打される―――ッ!

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最終更新:2007年12月18日 21:29