入試に係る証明書類

出身高校の発行する証明書類と大学入試

 一度大学を卒業した社会人再受験生、若いときに家計・家庭の事情で大学を諦めた社会人受験生は、基本的に自力で出願に必要な書類を集めなければいけません。大学入試センター試験の願書や、国公立二次試験・私大入試の願書は、テレメール等で比較的容易に入手できるでしょう。問題は、出願時に要求される、卒業証明書や調査書などの証明書類です。これについて

  1. 証明書の種類と保存期間および発行に係る日数
  2. 保存期間超過により証明書が発行できない場合の措置
  3. それぞれの入試で必要な証明書の種類と枚数
  4. 各種証明書の有効期限
  5. 証明書の入手方法と注意事項
  6. 証明書発行・郵送の依頼時に役立つ雛形ファイル

をまとめました。

証明書の種類と保存期間および発行に係る日数

 教育基本法により、調査書などの証明書類には保存期間が定められています。卒業証明書などは永年発行ないしは長期発行(凡そ100年程度でヒトの寿命程度のスパン)されますが、中には5年や20年の保存期間の証明書があります。 保存期間を過ぎた証明書(とそのデータ)は、基本的に直ちに廃棄され二度と発行できなくなります。 以下の表に、各証明書の種類と保存期間および発行に係る日数(こちらは法令で定められたものではなく、平均的に係る日数)を表しました。

証明書の種類 保存期間 発行に係る日数(概算)
卒業証明書 永年または長期(大凡100年前後) 即日
修了証明書 永年または長期(大凡100年前後) 約1週間
調査書 卒業後5年 即日~数日
成績証明書 卒業後5年 約1週間
単位修得証明書 卒業後20年 約1週間

 その他に、主に海外の機関に提出するための英文の各証明書がありますが、詳細は省略します。基本的に、英文はそれぞれの和文の証明書の倍程度の発行日数が係る場合が多いようです。

 多くの場合、平成(または昭和)○○年3月卒業でしょう。例えば平成20年3月卒業の場合、調査書や成績証明書ならば平成25年3月末日まで、単位修得証明書ならば平成40年3月末日まで保存されるということです。なお教育機関を始めとする公の機関では、基本的に和年号(明治・大正・昭和・平成)を用いて日時を管理しますので、西暦と和年の対応表(特に昭和から平成の年号変化をまたいで考える必要がある人)は手帳や携帯電話などに入れておくと良いかと思います。

 また、 一般に各種証明書の発行は無料で行われますが、一部の学校では発行手数料を要求する場合があるようです。発行してもらう際、出身高校に確認をとりましょう。

保存期間超過により証明書が発行できない場合の措置

 社会人になってから受験する場合、調査書や成績証明書の保存期間が過ぎている場合が多いでしょう。その際の 代替措置として、殆どの大学では「調査書(成績証明書、単位修得証明書、etc...)を発行できない旨を記した書面」(以下、代替書面とする)を出身学校に発行してもらい、それを代わりに提出することができます。

 なお一部に勘違いが見られますが、 この代替書面は出願者本人が書くものではなく、他の証明書同様、出身学校に依頼して発行してもらうものです。 代替書面の発行に係る日数は、大凡1週間程度が平均のようです。

それぞれの入試で必要な証明書の種類と枚数

  • 大学入試センター試験
    • 卒業証明書1通
  • 国公立大学二次試験
    • 卒業証明書1通
    • 調査書(または成績証明書)1通
      • 調査書の保存期間が過ぎている場合は、単位修得証明書1通または代替書面1通(大学により異なる)
      • もちろん、上記の単位修得証明書も保存期間が過ぎている場合は代替書面1通

※ 国公立大学では、前期日程と後期日程で同じ大学を受験する場合でも、それぞれの日程用で証明書を提出する必要があります。

各種証明書の有効期限

 役所で発行される住民票写本や戸籍謄本などのように、一般的には証明書の有効期限は発行日から3ヶ月です。しかし、 大学入試に限っては各証明書の発行日を問わない(つまり有効期限がない)場合が殆どです。 極端な例を言えば、80歳の人が大学受験をする場合、62年前に発行してもらった卒業証明書を使ってもよいということです。

 ただし、入学後に授業料免除申請や奨学金申請を行う予定がある人が、入試のときに使った証明書の余りをその際に提出しようとする場合には注意が必要です。大学や奨学金の種類にも依りますが、こういった場合には発行より3ヶ月以内の有効期限が適用される場合があるからです。従って、授業料免除や奨学金の申請を考えている人は、合格後にもう一度出身高校から(必要になりそうな)証明書を発行してもらう方がよいでしょう。

証明書の入手方法と注意事項

 証明書や代替書面は出身高校に発行してもらうものですから、それを入手するには出身高校とコンタクトを取る必要があります。ここでは、よくある2通りの入手方法について紹介します。1つは直接母校へ行って証明書をもらう方法(母校の近くに住んでいる場合はこちらが良いでしょう)、もう1つは電話で発行の依頼をして返信用封筒を使って郵送してもらう方法(母校から遠くに住んでいる場合はこちらが良いでしょう)です。

出身高校へ直接取りに行く場合

 先にも書いたように、卒業証明書以外は即日発行できないことが多いので、必要な証明書(と保存期間が過ぎている場合は代替書面)と枚数を言って発行の手続きをして、発行が済み次第、再度訪問する流れになります。

 一般的な学校ならば来客用の入り口・窓口があるので、そこで担当者に「私、平成(昭和)○○年卒業生の△△と申す者ですが、本日は~証明書の発行をお願いしたく伺いました」とでも言えば、証明書類の担当教諭(来客窓口の担当者はおそらく事務員なので、証明書発行のことは分からないはず)に通してくれます。ただし、担当教諭が授業等で出張っているときは待たされますので、放課後などの時間を見計らって行く方がよいでしょう。

 場合によっては本人確認のために免許証や保険証の提出を求められますので、(公共交通機関での移動がメインの人も念のため)持って行きましょう。また、再度学校を訪問するのが難しい場合は、自宅へ郵送してくれるオプションもあるはずなので、その場合は必要な切手代金などを払いましょう。

出身高校へ電話で発行を依頼する場合

 まずは電話で母校へ連絡しましょう。「お忙しいところ申し訳ございません。私、平成(昭和)○○年卒業生の△△と申す者ですが、本日は~証明書の発行をお願いしたくお電話を差し上げました」とでも言えば、証明書類の担当教諭に代わるはずです。(やはり授業で出張っていないような時間を狙いましょう)

 電話なので本人確認のために生年月日や卒業時(つまり高3のとき)のクラス・出席番号・担任教諭の名前などを尋ねられるかもしれません。覚えているかぎり答えましょう。あとは必要な証明書の種類と枚数、また代替書面が必要ならばその旨を伝え、後日 返信用封筒(必要な切手を貼ったもの、自己負担)を送るよう言われます。 場合によっては、やはり免許証や保険証のコピーを同封するよう要求されるかもしれません。

 ちなみに社会人の礼儀として、また 発行ミス(発行の過不足など)を防ぐためにも、証明書発行依頼の添え状を同封すると良いでしょう。

 私の場合は、10通前後の証明書が入る角形4型の定形外封筒を返信用封筒に使います。ある程度のサイズの定形外封筒が、この場合の返信用封筒には向いていると思います。 

 なお、学校によっては返信用封筒を簡易書留(300円の追加料金)にするよう要求する場合もあります。

証明書発行・郵送の依頼時に役立つ雛形ファイル

 私がよく使うファイルの雛形のリンクを貼っておきます。外部のアップローダーサイトですので、文字列認証と待ち時間、ダウンロード容量制限があります。

最終更新:2011年12月20日 13:49