ヨウ素131
▼半減期
8.04日
▼崩壊方式
βマイナス壊変。β線を放出してキセノン131となる(この時γ線も放出される)
▼生成と存在
ヨウ素のもっともよく知られている放射性同位体。天然では、大気中で宇宙線とキセノンの反応によって生成し地上でウラン238(238U)の自発核分裂によって生じる。いずれにしてもその量は小さいが、人工的な核分裂では大量に生成される。
▼化学的・生物学的性質
通常はヨウ化物イオンや単体で存在している。単体は昇華しやすい。甲状腺ホルモンに含まれる必須元素で、体内に取り込まれるとほとんどが甲状腺に集まる。成人の体内にあるヨウ素の量は11㎎で、ヨウ素の1日摂取量は0.20㎎である。
▼生体に対する影響
内部被曝の場合はγ線よりもβ線が問題で、甲状腺被曝が問題となる。主な経路としては、牧草を食べた牛の牛乳であるが、放出量が多い場合は飲料水や空気による経路も考えられる。外部被曝の場合は、1mの距離に100万ベクレルの小さな線源があると1日に0.0014ミリシーベルトの被曝を受けることになる。
▼測定、検出
γ線を測定することにより検出し、GMによっても容易に計測が出来る。通常はゲルマニウム半導体検出器で測定する。体内にあるものは全身カウンターで測定できる。
最終更新:2011年11月20日 22:13