チェシャ猫(Cheshire cat)
彼が私の分身であり、私が表現できない疑念や恐怖を代弁する声だと言うのを認めてもいいけれど、大抵は私を大変な危険にさらすほどの勇気はないの。時にひねくれてて、皮肉屋で、冷ややかで、哲学的で、不真面目で、真剣だったりする彼は、危険の及ばない場所にさえいれれば重要な手助けをしてくれる。私を助けようとしてくれているのはわかる。とはいえ、猫であるのは変わらないし、猫は親切な動物ではない。
- 行く先々でアリスの前に現れる神出鬼没の猫。名実ともにアリスの相棒。
- 皮肉めいたセリフを吐いては消えていくが、彼にはアリスの気づいていない真実が見えているのかもしれない。
登場場所
「アリスインナイトメア」での扱い
原作での扱い
「私が気違いだとどうしてわかります?」とアリスが申しました。
「それに決まっているよ」と猫が申しました「でなければここに来るはずはないんだ」
『不思議の国のアリス』角川文庫刊 岩崎民平訳 より
- 「不思議の国のアリス」に登場。もともとは公爵夫人の飼い猫。
- 両耳まで口を開けて笑うニヤニヤ笑いが特徴。
- ニヤニヤ笑いを残して消えたり現れたりすることが出来る。
- やはり人を煙に巻くような問答ばかりするが、マトモなコミュニケーションをとることすら難しい不思議の国において、少なくとも会話が成立するため、アリスは比較的好意を持っているようだ。
- 後のハートの女王とのクロケット中には、彼のことを「お友達」と紹介している。
- 女王に対して失礼な言動をしたため、怒ったハートの女王はチェシャ猫の首を切ろうとするが、首しか出現していなかったため首切り人も首を切れなかった。
- 「チェシャ猫のような笑み="grin like a Cheshire cat"」という、ニヤニヤ笑いを表すイギリスの慣用句から作り出された架空の生物。
- チェシャー州はイギリスの州のひとつで、チーズの有名な産地。原作者ルイス・キャロルの出身地でもある。
- なぜ「チェシャ猫の笑み」がニヤニヤ笑いなのかについては「チーズの名産地であるチェシャー州には猫が大好きな乳製品が豊富だから」「チーズを狙って集まるネズミがたくさんいてウハウハだから」など諸説あるらしい。
- 余談だが、不思議の国では猫が笑うのは普通のことらしく、猫が笑うのを見たことないと発言したアリスは公爵夫人に物を知らない子認定を受けた。
考察/疑問点
- アリスの人格の一部が形を取ったもの? どこかでそんなことを言っていたような。
最終更新:2011年09月09日 23:00