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There was once a little girl named Charlotte Sophia.
-あるところに、シャーロット・ソフィアという女の子がおりました。-
 
Her parents were kind and well‐to‐do.
-シャーロットの両親は優しくて、お金持ちでした。-
 
One day her father, a colonel in the army, was ardered to Africa.
-ある日、軍隊の大佐だったお父様がアフリカ行きを命ぜられました。-
 
Several months father he was reported killed in a native uprising.
-七ヵ月後、原住民の謀反が起きてお父様が殺された、という報せが届きました。-
 
                 by  Edward Gorey   不幸な子供より

  

 

 

 

 

                                  

僕は、今日まで死人を見た事がなかった。

なぜなら、どちらの祖母も祖父もとっくに他界しているから。

母さんはいつの間にか灰になっていた。

ーその間の僕は記憶がない。

 

要するに僕は一回も死というのを見た事が無いのだ。

人間が生を奪われる瞬間、というものを。

ぼくは信じなかった。

母さんが死んだなんて

母さんにもう二度と会えないなんて

絶対に信じない

だって僕は見ていないもの

 

母さんの“死”を

 

 

いや

遠いと思っていた死はあまりにも近すぎて

見えなかっただけだったんだ

 

目の前の顔にある“死“の顔は

この世のものでなかった

 

と気づいたときにはもう遅くて

 

目の前にはもう車が

         死が

 

迫って来ていた。

   

 

 

 


 

『・・・・・』

『ねぇ、そろそろ起きてもいいんじゃないか?』

 

僕はゆるゆると目を開けた。

 

何も見えない。

視界が真っ暗に閉ざされていた。

そこは、都会では滅多に観られることのない

黒々とした闇の中。

 

どんなに目を見開いても一筋の光も入ってこなかった。

 

何も見えない

 

何も聞こえない

 

怖い

 

僕は初めて身をよじるほどの恐怖を感じたんだ。

見えないことに恐怖を感じた。

 

僕の“世界”はどこへ行ったの

 

「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 

叫んでも、叫んでも、何も還ってこない

果てのない真っ暗な闇

 

『気でも狂ったのかい?』

 

ふいに、声が聞こえた

 

「誰だ!どこにいるんだよ!」

こんなに大声を上げて叫んだのは初めてかもしれない。

ずっと何事にも無関心でいようとしたから。

そうすれば面倒なことには巻き込まれないで済むから。

 

『そうすれば、何もなくさないで済むから・・・か』

 

また、あの声が聞こえた。僕の中でやかましくがなりたてる、アイツだ。

 

 

「お前か!僕をこんなとこにやったのは。此処どこだよ!?僕は死んだのか?」

『いいや、お前はぴんぴんしてるよ。最も心根のほうは危なそうだがな』

僕は深呼吸した。

どんな状況下に置かれても、冷静さを失わない事。それが相手より優位に立つための第一歩。感情を消して、めんどくさい事に巻き込まれないようするための秘訣。

「もう一度聞く。ここはどこなんだ」

『立ち回りが早いな。いつもそうやって生きてきたのか』

「・・・・・っなんでもいい!早くここから出せよ!」

もう気が狂いそうだった。早く光を見たかった。

 

『殺されたくなかったら黙れ』

「お前は僕を殺すのか?」

『いいや、俺は殺せない。いわば魂だけの存在だからな。殺されたくなかったらいう通りにしろよ』

 

「いやだといったら?」

『あ?』

「嫌だといったらどうなんだよ」

別に恐怖感も無い。無くすものもない。もう無くして・・・・

 

・・・・・無くしたものってなんだ?

 

母さんか?いいや違う。もっともっと僕の・・・・

 

『どうやら記憶が食い違ってきてるらしいな。やっぱりあいつの言ったとおりだ』

「あいつって誰」

『それは言えない。俺はお前の身体の中にいるからお前が許容できない範囲の知識を与えると身体がもたないんだ』

「?」

『まぁそのうち解るさ。でお前は俺に協力してくれないのか?』

 

「嫌だといったら?」

 

『よし、じゃぁお前の家族を殺す。これでいいだろ』

 

「・・・わかった」

結局いつも逃げ道はふさがれてて。

 

僕はいつも不幸な道に進むことになるんだ。