夢急古河線

夢急古河線(ゆめきゅうふるかわせん)は、夢急海鳴営業部管轄の路線である。中島(なかじま)~古河(ふるかわ)間を営業する。
停車駅案内は下の添付ファイルを参照のこと。


基本データ

  • 路線距離(営業キロ):28.0km
  • 軌間:1435mm
  • 駅数:17駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:全線
  • 電化区間:全線電化(直流1500V)
  • 閉塞方式:自動閉塞式
  • 保安装置:ATS-P
  • 最高速度:120km/h(一般車両)
起点は古河駅となっているが、上り列車は中島方面、下り列車が古河方面となっている。
秋葉原~古河では国鉄古河線と競合しているが、経路が違うため参考にはならない。

歴史

  • 1927年2月27日 古河電気鉄道が秋葉原(注:実在の秋葉原駅とは関係がない)~古河間を開業。当初は750V電化。当初より長門~古河間は複線。
  • 1938年5月6日 中島(現在の東中島駅)~秋葉原間を延伸。
  • 1940年12月7日 秋葉原~長門間が複線化。
  • 1946年4月1日 中島駅を東中島駅に改称。
  • 1954年3月15日 中島~東中島間を延伸。同時に全線複線化・直流1500V電化を行う。1500Vに昇圧した際に車両が不足したため夢急から車両を一部借りる。それがきっかけで後の夢急編入につながる。
  • 1968年3月21日 夢急電鉄に吸収合併され、夢急古河線となる。秋葉原を夢急秋葉原に、大須を夢急大須に、日本橋を夢急日本橋に、春日部を夢急春日部に、西園寺を夢急西園寺に、古河を夢急古河に改称。
  • 1976年2月10日 中島駅の立体化工事が行われ、一部列車が立体線から発車できるようになる。
  • 2002年3月16日 この日より、路線愛称名をアニオタ線に改称(正式名称は古河線のまま)。夢急古河を古河に再改称。
  • 2008年3月16日 中島駅の古河線ホームが2面3線となり、4番線の古河線車両の使用をとりやめる。7番線を新設。910系が予備車となる。
  • 2008年4月1日 ICカード「CROCA」使用開始。
  • 2008年7月1日~9月10日 910系のさよなら運転を行う。
  • 2008年9月11日 全車両、VVVFインバーター搭載車両の運転となる。
  • 2009年1月1日 再び路線名を古河線に変更する。
  • 2010年 ダイヤ改正とともに準急を区間準急に格下げ、従来の準急停車駅から西沢駅を削減した準急を設定する。また、一部の急行の8両編成での運転を開始する。
  • 2012年3月16日 ダイヤ改正に伴い、終日準急および区間準急が1時間に2~3本程度設定される。綾波駅が急行通過に変更される。
  • 2013年3月31日 夢急本線直通の快速急行を設定。
  • 2016年3月12日 ダイヤ改正にともない、綾波駅が快速急行・急行停車駅になる。

駅一覧

駅番号 駅名 読み 区準 準急 急行 快急 ホーム 営業キロ 接続路線
F01 中島 なかじま 2面3線 0.0 夢急本線
F02 東中島 ひがしなかじま 2面2線 2.0
F03 いずみ 1面2線 3.6
F04 涼宮 すずみや 2面2線 5.4
F05 夢急秋葉原 ゆめきゅうあきはばら 2面4線 7.7 夢急環状線
F06 夢急大須 ゆめきゅうおおす 2面2線 9.3
F07 夢急日本橋 ゆめきゅうにっぽんばし 2面2線 11.0
F08 夢急春日部 ゆめきゅうかすかべ 2面2線 12.8
F09 長門 ながと 2面4線 14.6
F10 西沢 にしざわ 2面2線 16.4
F11 竜宮 りゅうぐう 2面4線 18.0
F12 近衛 このえ 2面2線 19.4
F13 柏葉 かしわば 2面2線 20.8
F14 朝倉 あさくら 2面4線 23.2
F15 夢急西園寺 ゆめきゅうさいおんじ 2面2線 24.8
F16 綾波 あやなみ 1面2線 26.7
F17 古河 ふるかわ 4面5線 28.0

区準=区間準急、快急=快速急行

音声案内

  • 中島駅を除き、4線ある駅では1,2番線(古河方面)が女性、3,4番線(中島方面)が男性となっており、2線ある駅では1番線が女性、2番線が男性である。
男性は全駅共通。女性は東中島・秋葉原・大須・日本橋・春日部は本線(南中島以西)と共通になっているが、中島・泉・涼宮・長門・西沢・竜宮・近衛・柏葉・朝倉・西園寺・綾波・古河の各駅ではオリジナルになっている。
  • 2012年の音声案内更新で、他路線と共通のものに変更された。

ICカードの対応

2008年4月より、ICカード「CROCA」(クロカ)の使用が開始され、古河線では全駅で対応する。

列車種別

  • 快速急行 Rapid Express
2013年ダイヤ改正後に設定された、夢急本線直通列車。当初は土休日ダイヤで設定され、平日ダイヤにも2013年6月に設定された。
全列車が夢急本線海鳴発着となっているが、ダイヤが乱れた場合は線内の運転になることもある。
朝と夕方に設定され、古河線内では従来の急行のダイヤを使用し、夢急本線の海鳴~中島間を運転していた快速急行の一部を延長運転する形で運転される。
全列車時間調整や増解結のため、中島駅で数分程度停車する(最大で10分。時間調整停車がない列車もある)。
古河線内では6両編成での運転だが、夢急本線では最大10両編成で運転される。
  • 急行 Express
主力優等種別。全区間を走行する。
昼間は1時間に4本、ラッシュ時は1時間に最大6本運転。朝夕の一部列車は8両編成で運転される。
中島-古河間を最速25分で結び、評定速度は67.2km/h。元々停車駅が多めであるために速くはない。しかし、改良を重ねていった結果、30分ほどかかっていたものが短縮されてきた。
2011年度までに24分まで短縮した。2012年のダイヤ改正で最速列車の所要時間は23分に、2015年のダイヤ改正で22分に短縮される。
2016年のダイヤ改正で、夢急本線海鳴発着便が1往復設定された。
[運転本数推移]
2008年ダイヤ改正まで:昼間30分間隔、ラッシュ時15分間隔
2008年ダイヤ改正から:昼間15分間隔、ラッシュ時10分間隔
2015年ダイヤ改正から:昼間20分間隔、ラッシュ時10分間隔
  • 準急 Semi-Express
区間優等種別。一部列車を除いて全区間を走行する。
現在の準急は2010年ダイヤ改正時に登場したもので、主に昼間に運転している。
昼間の準急は中島~古河間全区間先着になるようにダイヤが組まれている。
  • 区間準急 Sub Semi-Express
区間優等種別。全区間を走行する。
2010年ダイヤ改正前はこの種別が準急として運転していた。主にラッシュ時に運転している。
2018年のダイヤ改正の際に、全て準急に置き換えられて廃止される予定。
  • 普通 Local
かつては終日全区間を走行する列車が設定されていたが、準急の設定に伴い昼間の列車は長門~古河間に短縮された。
最終便は両方向とも長門止めである。1時間に3本運転する。

過去の種別

  • 特急 Limited Express
1975年ダイヤ改正から、2008年ダイヤ改正まで、線内を走行する特急列車が存在していた。
途中の停車駅が秋葉原だけだったため、利用者はさほど多くなかった。季節限定で夢急本線と直通していたこともある。
2008年ダイヤ改正で廃止され、代替として急行が大幅に増発された。その後も臨時列車を運転したことがあったが、2011年以降は運転されていない。

各区間の運転本数

以下は1時間当たりの本数。朝夕ラッシュ時は異なる。
  • 昼間:急行3本、準急3本、普通3本(普通は長門~古河間の運転)
  • ラッシュ時:急行6本、準急3本、普通6本(うち3本は長門・竜宮~古河間の運転)

旧性能車改造の910系が現役で走行していたため、急行の速度はあまり速くはない。しかし、910系の廃車が決まったため、2009年度以降、スピードアップするかどうかは不明。

使用車両

かつては古河線専用車両が投入されていたが、幹線との統一工事が完成し、現在はほぼ同一仕様車両の投入がなされている。
形式も本線共通のものがあるが、一部は番号が足りなくなるため、形式番号を変更したものもある。
夢急本線直通の快速急行には6両固定編成の車両を使用するが、稀にそれ以外の車両を組み合わせた6両編成になることがある。

車両史

前身の古河電気鉄道時代はローカル色が濃い車両が中心だったが、夢急編入後は他路線と仕様が統一された車両を中心に投入することになる。
天乃原線と比較してカルダン駆動の車両の導入がやや早かった。しかし、1978年~1993年まで新車が投入されない時期もあり、その間は車両編成の都合上、急行でも2両編成で走行している場面も珍しくなかった。
古河線の通勤路線化が急速に進むと、車両の投入が急ペースで進み、現在は全てVVVFインバーター制御の車両で統一されている。

現役の車両

  • 1212系70番台
夢急本線1212系と全く同じ。2両編成で、15編成30両製造された。編成記号「VO」。本線のものと区別するため、形式に「F」をつけていたが2008年7月に整理され、1212系となった。
古河線への増備は1993年から開始している。
1279F~1285Fはボルスタレス台車を採用し、形式が1279系(旧・F1220系)となっている。
2017年に1282F~1985Fが海鳴本線へ転属したため、現在所属しているのは11編成になっている。
ク1371-モ1271、ク1379-モ1279(旧・クF1312-モF1212、クF1320-モF1220)
1271F~1281F(旧・F1212F~F1226F)[VO71~VO81]
GTO素子VVVFインバーター制御、電磁直通ブレーキ
  • 7000系
夢急本線1410系と全く同じだが、番号が足りなくなるため形式を変更している。4両編成が5編成20両、6両編成が1編成6両所属。編成記号は4両が「VC」、6両が「VF」。
本線のものと区別するため、形式に「F」をつけていた。
古河線への増備は1995年からで、全車ボルスタレス台車を採用しているため、形式変更はない。
[6両]ク7100-モ7050-サ7150-モ7070-サ7170-モ7000
[4両]ク7100-モ7050-サ7150-モ7000
(7001F[VF01],7002F~7006F[VC02~VC06])
GTO素子VVVFインバーター制御、電磁直通ブレーキ
  • 3000系10番台
夢急本線3000系のものとほぼ同じだが、トイレが設置されていない。6両編成5編成30両所属。
編成記号「DF」。全車ボルスタレス台車採用。
本線のものと区別するため、形式に「F」をつけていた。
ク3100-モ3050-サ3150-モ3070-サ3170-モ3000
(3011F~3016F[DF11~DF16])
GTO素子VVVFインバーター制御、電磁直通ブレーキ
  • 7821系
ドリーム21。夢急本線3021系とほぼ同じだが、トイレが設置されていない。6両編成6編成36両所属。編成記号「DF」。本線のものと区別するため、編成は「F」から始まっていた。
また、本線の系統にあるブレーキ読替装置は当初準備工事に留まっていたが、2009年度に本工事を実施。2011年に増備された2編成には当初から工事を施工済み。
ク7321-モ7421-サ7521-モ7621-サ7721-モ7821
(7821F~7826F[DF21~DF28])
IGBT素子VVVFインバーター制御、電気指令式ブレーキ
  • 5021系70番台
ドリーム21。2両編成で、現在15編成30両所属。編成記号「ZO」。
本線のものと区別するため、編成は「5071F」から始まっている。
910系の廃車に伴い、2008年度に5編成20両増備された。
ク5121-モ5021
(5071F~5086F[ZO71~ZO86])
IGBT素子VVVFインバーター制御、電気指令式ブレーキ(ブレーキ読替装置つき)
  • 5821系70番台
ドリーム21。6両編成で、現在6編成36両所属。編成記号「ZF」。
本線のものと区別するため、編成は「5871F」から始まっている。
また、本線の系統にあるブレーキ読替装置は当初準備工事に留まっていたが、2009年度に本工事を実施。2011年に増備された2編成には当初から工事を施工済み。
ク5321-モ5421-サ5521-モ5621-サ5721-モ5821
(5871F~5876F[ZF71~ZF78])
IGBT素子VVVFインバーター制御、電気指令式ブレーキ

2008年度の古河線は182両が所属する。

現在は全てVVVFインバーター搭載の車両である。なお、一部形式は本線との重複を防ぐためか、「F」を形式名に追加していたが2008年7月に整理された。

過去の車両

  • 0系
1927年の開業当初に登場した車両。全長15mで、当時では時代遅れとなった木造車として登場した。1年後に火災事故を起こしたため、製造は打ち切られ、わずか1年で廃車になった。形式名がなかったため、0系と便宜上扱われている。
  • 200系
1928年、0系の反省を踏まえ製造。2両編成を組む全鋼車となった。ただし、電動機を0系から流用した編成もあり、最高速度が60km/hと非常に遅かったため、ダイヤのネックになったこともあった。それ以外の車両は最高速度80km/hだった。
1500V昇圧の際には対応が遅れたために、夢急から車両を借りた。400系より先に更新を行い、1956年までに全て完了した。その際に電動機を交換し、最高速度は105km/hまで上がり、213Fは古河線においてカルダン駆動車両の試作扱いとなった。
213F以外は1968年までに、213Fは1974年に廃車された。
ク200-モ250
抵抗制御(吊り掛け)、空気ブレーキ。ただし213Fは1956年にカルダン駆動に交換し、電磁直通ブレーキも取り付けた。そのため、後続の車両が登場するまでは限定運用を強いられた。
  • 400系
1947年に登場した車両。750V対応に設計してしまったため、1500Vに昇圧した際対応が遅れてしまい、夢急3400系や夢急3200系(初代)を借りて運転していた。
1958年までに昇圧工事は完了した。電動機の痛みが激しく、1970年代半ばになると故障が多発した。
1979年までに全車廃車。
ク400-モ450
抵抗制御(吊り掛け駆動)、空気ブレーキ(1500V昇圧後は電磁直通ブレーキ)
  • 600系
1963年に登場した車両。高性能車両で、最高速度110km/hとして、夢急本線用の車両とほぼ同等とした。20編成40両を製造。主に各駅停車の運用に就いた。
1976年~1978年に冷房化。更新を800系より先にしてしまったため、寿命を縮める原因ともなってしまった。
800系同様に台車は空気バネ台車を搭載していた。
1995年までに全車廃車。台車は一部のコイルバネ台車を搭載した車両に流用された。
ク700-モ600
抵抗制御、電磁直通ブレーキ
  • 800系
1961年に登場した古河線初の高性能車両。この車両より、20m車となり、幹線と同一クラスの車体の車両が導入された。
加速性能がよく、主に各駅停車の運用に就いていた。しかし最高速度の性能があまりよくなく、最高速度になるまでに駅に着いてしまうという欠点もあった。そのため、専ら各駅停車の運用に就いた。
古河電気鉄道時代に製造されたこともあり、夢急本線向けの車両とは異なり空気バネ台車が採用されていた。
15編成30両を製造。1981年~1982年に冷房化。2000年までに引退。
ク800-モ850
抵抗制御、電磁直通ブレーキ
  • 900系
1964年に登場した車両。800系に最高速度の性能を加えたもの。古河電気鉄道時代としては最後の完全新造車である。
しかし、加速を犠牲にしたため急行運用が主となった。5編成10両が製造された。
初期に投入した3編成は空気バネ台車を採用したが、後期に投入した2編成はコイルバネ台車が採用された。
1982~1983年に冷房化。2006年に引退。
ク900-モ950
抵抗制御、電磁直通ブレーキ
  • 910系
1970年に、夢急編入後最初の新形式として導入された。
廃車となった夢急モ3000形の電動機を流用したため、吊り掛け駆動である。1985年に13600系から電動機と台車を流用して高性能化された。
2両編成。5編成10両が所属していた。編成記号「SO」。2008年に復元塗装を行って引退。
ク910-モ960
抵抗制御(1985年までは吊り掛け駆動、それ以降はカルダン駆動)、電磁直通ブレーキ
  • 4000系
1978年に登場した車両。2両編成を5編成10両製造。チョッパ制御であったが、環状線でチョッパ制御の試験を行うため101系に形式変更して環状線に転属した。
在籍年数はわずか2年。チョッパ制御車は古河線にこのあと投入されず、1212系が増備される1993年までの15年間、新車が全く登場しなかった。
ク4100-モ4000
界磁チョッパ制御、電磁直通ブレーキ
  • 4200系
1971年に登場した。当初より冷房を搭載した。4両編成5編成20両を製造。本線2600系とは兄弟車両。製造は夢急車両ではなく中部車両で行ったため、多少仕上がりが異なっていた。
製造後25年してから電動機と制御装置に修理不能な致命的欠陥が見つかったため、1996年に20両を一気に廃車した。
そのため、この年はその不足を補うために1212系と1410系を大量に増備した。
ク4300-モ4250-サ4350-ク4200
抵抗制御、電磁直通ブレーキ
  • 5600系
1964年に登場した、当時の夢急としては異例の冷房装備、空気バネ台車を採用した車両である。
古河線には1982年に転属し、当時冷房改造を行っていた車両の穴を埋めた。
2002年に廃車された。
抵抗制御、電磁直通ブレーキ
最終更新:2020年05月05日 00:14