タイトル『元機動六課のエース達とガンダムマイスターの遭遇』


 時は新暦77年……
 質量兵器が廃止された魔法文明が発達した世界『ミッドチルダ』。
 この世界では2つの月から放出されている魔力エネルギーを、より安定したエネルギーとして確保するために建造された3つの軌道エレベーターが存在する。
 その恩恵から漏れてしまった小国は貧困に陥り国内の情勢が悪化する一方だ。
 時空管理局の発祥の地であるミッドチルダであっても、人同士の憎しみの連鎖を断ち切ることは不可能であった。
 魔力保有者は、全て管理局へ入隊させられるため各国は法律を捻じ曲げ質量兵器の使用を了承させてしまう。
 国への圧力を掛けられない管理局では、各国の動向を見守るしか方法が無かった。

539 名前:なのはとガンダム00のクロスSS ◆etxgK549B2 [sage] 投稿日:2008/03/24(月) 23:39:38 ID:vCOcmJBG
 そんな世界に突如現れた謎の武装組織『ソレスタルビーイング』による武力介入宣言が行われる。
 彼らの目的は武力による戦争の根絶。
 その行動は、世界から矛盾しているとの皮肉を受けながらも止まる兆しを見せず、介入行動を続けるのであった。
 そして、

「――これより、テロ組織『虚無』に武力介入を開始する。機体制御は任せたぜ、ハロ」
『任された。任された』

 武力介入を開始してから2ヶ月程経過し、徐々にだが紛争が減りつつある中ソレスタルビーイングのガンダムマイスターたちは介入行動を続ける。

「刹那。今日は、変な事を言って突撃すんじゃねぇぞ」
「了解。これよりプラン通り介入行動に移る」

 緑色に輝く粒子を放出しながら空を舞う2機の『ガンダム』。
 戦争根絶を体現するためのソレスタルビーイングが用意した人型機動兵器の名称である。

 刹那・F・セイエイが駆るガンダム『ガンダムエクシア』
 ロックオン・ストラトスとハロが操るガンダム『ガンダムデュナメス』

 合計2機のガンダムによる武力介入が始まる。


 そんな2機に狙われているなど露知らず、MSに似た人型兵器とガジェットを使いテロ活動をする虚無と呼ばれるテロ集団。

「ひゃひゃひゃ!!もっとやれ、もっと○せよぉぉぉ!!」
「あまり熱くならないでください。そろそろ退避した方が良いような……」
「けっ!CB(ソレスタルビーイング)に何か敵じゃねぇよ!!それより女だ……女は居ねぇのかぁ!?」

 黒い装甲と両肩に鎌状の武器を装備した人型機動兵器と、巨大な盾を両腕に持つ重装甲な人型機動兵器が空に浮かびながら火に包まれる町を見下ろす。
 女女と叫ぶ男が乗る機体の量産機と思われる機体とスカリエッティ製作のガジェットが町を破壊尽くしている。
 その時、上空からピンク色の光線が民間人を踏み潰そうとする機体の頭を破壊する。
 その衝撃でバランスを崩した機体は、民間人の方へと倒れこむ。
 しかし、金色の光が一瞬にして民間人を保護する。
 そして多数配備されていたガジェット達が広域魔法の一撃を受けて破壊されていく。
 その光景を唖然と見守る虚無のメンバー。

「あの魔力粒子の光は……」
「へへへ、やっとお出ましか!管理局のエースの女共!!」

 イカれた男の目線の先には、白いバリアジャケットを装着した高町なのは一等空尉、
 黒いバリアジャケットに白いマントを装着しているフェイト・T・ハラオウン執務官、
 そして、4人の守護騎士を携える地上本部で最強の部隊である八神はやて二等陸佐の姿がある。

「あなた達は大変な過ちを犯した……これは許されるものじゃない」
「即時武装放棄を行わなければ、力尽くで逮捕します」
「なのはちゃん、フェイトちゃん……今回はただ逮捕するんじゃ、ここの人たちは浮かばれんよ……だからぁ!!」

 はやては杖を掲げると、頭上に多数のヤドリギの槍を出現させる。

「この大バカもん共に粛清を!石化の槍、ミストルティン!!」

 多数の石化の槍が虚無の機動兵器へと降り注がれる。
 回避運動を取る虚無の主要メンバーの2人は、その攻撃を避けるも地表付近で動いていた味方機は槍を受けて石化していく。

「ちっ、これだから女ってのは!」
「一旦引きましょう。魔導師、それもオーバーSランクが5人以上いる部隊になんて勝てっこありませんよ!」
「うっせぇ!俺はなぁ、ああいう恐れを知らねぇ女を泣かすのが趣味なん――」

 仲間に自分の信条を語る最中、粒子ビームが機体の頭を貫く。
 コクピットが頭にあったため、パイロットは即死だ。
 頭があったところから火を噴きながら撃墜される虚無の黒い機動兵器。
 仲間が撃墜された重装甲の機動兵器のパイロットは、この場から離脱しようとするも、

「エクシア、目標を駆逐する!」

 白と青のツートンカラーである近距離戦闘を得意とするガンダムエクシアのGNソードによる斬撃を動力炉へ受け爆砕する。
 瞬く間にテロ組織の主犯を撃破したガンダムに驚くなのは達。
 命令系統を司る2機を失い暴走し始めるテロ組織の機動兵器とガジェットだったが、白と緑のツートンカラーである射撃戦に特化した
ガンダムデュナメスの狙撃により次々に撃破されていく。

「デュナメス、目標を狙い撃つ!」

 2体のガンダムの登場で、瞬く間にテロ組織の部隊は壊滅してしまう。
 黒煙が立ち込める町へと降り立つガンダム2機。

「くそ、好き勝手しやがって」
「スメラギ・李・ノリエガの戦術予報より死傷者の数が少ない」
「それは、あそこのお嬢さん方のお力だろうよ」

 刹那の疑問にデュナメスのカメラを向けて答えるロックオン。
 デュナメスのツインアイの先には、美女と呼んでも過言ではない女性達で構成されている魔導師の部隊がいた。
 モニターに映る彼女達は強い眼光でこちらを睨みつけている。

「おー怖、そんじゃサッサと帰島するぞ。刹那」
「了解」

 去って行く2機を見守る元機動六課の面々。

「あれが、CB……戦争根絶を掲げる“テロリスト”」
「どうする?なのは」
「たぶんフェイトちゃんなら追いつけると思うけど、生身であの2機を相手にするのは難しいよ」
「そやな。それに、今は災害班と救護班が到着するまで民間人の方々の護衛や」
「うん。人命救助が優先だね」

 なのは達は分かれて、担当区域の見回りを始める。
 敵が居ないかエリアサーチをしながら、先程の2機のガンダムの姿を思い出すなのは。

「戦争をたった4機の質量兵器で無くそうだなんて、無茶すぎるよ」
『どうしましたか、マスター?』
「うんん、なんでもないよ。レイジングハート」

 あのガンダム達の今後を危惧する気持ちを隠しながら仕事に専念するなのはであった。


 ミッションを終え秘密基地へと帰島する途中で刹那は、あの魔導師達の事を思い出す。

「あれも、戦争根絶を体現する者……“ガンダム”なのか」
「何か言ったか、刹那?」
「いいや」
「そうか?まぁ、基地に戻ったら散髪してやるよ。俺のハサミでお前の髪を狙い切るぜ!」
『笑えない冗談だわ。笑えない冗談だわ』
「ハロ……」
『ドン☆マイ。ロックオン』

 ロックオンとハロの漫才で先程の考えは頭の隅っこへと消え、次のミッションへの気持ちを高める刹那であった。


 おわり

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年03月25日 22:51