化學班(かがくはん)は、本校に存在する班のひとつ(本校における「班活動」は、一般的に「部活動」に相当する)。正確な漢字表記は
「化学班」であるが、旧字体の使用を好むぶっち班では「化學班」という表記の方が一般的であるため、本稿ではこの表記を
使用する。
活動場所は主に化学室である。
活動は比較的早い時刻で切り上げられる(概ね17:00~17:30頃)。ただ、活動日は週5日(月曜日~金曜日)である。また、兼部をする班員もおり、出席するメンバーの顔ぶれが曜日によって異なるのも特徴であったが、現在ではそれほど変化はない。過去にはぶっち班と兼部する班員もいた。
研究テーマは高度なレベルのものも少なくなく、これまで日本学生科学賞で入選・入賞を果たした作品も多い(ただし、入選・入賞の回数
はぶっち班の方が多い)。不幸にして、研究においてまともなデータがとれず失敗し、実績をほとんど残せなかった年もある。だが、
化學班はそういった苦い経験にも屈することなく、テーマを代々受け継いで研究を続けるという粘り強さを持っている(それに対して
ぶっち班は、「幾代にもわたるテーマの継承行為は、新入班員の抱く展望を否定する可能性もあり、柔軟性に欠けるのではない
か」という立場で、近年では「研究は一代でやり遂げよう」という意識が比較的強く、そちらの意味での「粘り強さ」を有している)。
一方で、化學班では「失敗の原因に重点をおき、『なぜ失敗したのか』を探る研究」を目指す動きも新たに始まっており、今後の
動向が注目される。
尚、詳細については外部リンクも参照されたい。
新1年生が入学する4月になると、化學班は他の班と同様、班員獲得のための勧誘活動を開始する。アルモーは熱心に勧誘活動を 展開し、さまざまな演示実験を実施した。実験は多くの新入生にとって非常に興味深いものであったが、その中には、アルモーを はじめ班員の誰もが原理を全く理解していない実験もあった。主に見た目重視のものであったといえよう。
コーラの中にメントス(mentos)を投入し、意図的に二酸化炭素の泡を噴出させ、コーラの炭酸を抜く実験。 噴出シーンが極めて過激であり、新入生の神経系を刺激して、脳内にノルアドレナリンを大量分泌させる。 それゆえ、多くの新入生が無意識のうちに化學班に洗脳され、入班に追いやられた。これは化學班が勧誘に用いる常套手段であり、今や化學班の代名詞となりつつある。(尚、公式には「メントスガイザー」という呼称であるが、ここでは化學班内で使用されている呼称で記す)
「メントス」とは、オランダ・Van Melle社製のソフトキャンディーであり、キャンディーの外側が硬質の「アラビアゴム」(多糖類;主成分はアラビノガラクタン)でコーティングされている。
一方、「コーラ」とはアメリカ発祥の炭酸飲料であり、一般には「コカ・コーラ」を指す。二酸化炭素は水に溶けにくい気体であるため、 工業的に炭酸飲料を製造する際は、数トンもの圧力をかけて二酸化炭素を飲料中に溶かしている。ペットボトルを開封すると同時に、 ペットボトル内の気圧が下がり、外圧と等しくなるため、内部に溶解していた二酸化炭素の多くが気泡となって空気中に逃げ出す(ヘンリーの法則)。但し、水分子間は水素結合等の影響で極めて分子間力(ファンデルワールス力)が強いため、二酸化炭素の多くは依然として閉じ込められたままである。
コーラにメントスを投入すると、メントスのコーティング物質であるアラビアゴムが溶解し界面活性剤として作用し、水分子間の 結合力を弱め、閉じ込められていた二酸化炭素を噴出させる。さらに、アラビアゴムは多孔質(無数の孔が開いている)であるため、 表面積が極めて大きく、二酸化炭素発生が促進される(この多孔は、公式には「核生成サイト」と呼ばれる)。そして、メントスの密度が コーラより大きいため、メントスは噴出する二酸化炭素に逆らって、コーラの底にまで沈む。それゆえ、コーラの内部から大量の 二酸化炭素が発生する状態が持続される。この三要因により、二酸化炭素はコーラもろとも爆発的に噴出する。(尚、わずかではあるが 糖分は気泡発生を阻害するので、「ダイエットコーラ」が最適である。)
色の変化を繰り返す特殊な溶液を丸底フラスコに入れて、見せて回るという演示実験。 その多彩な変化に魅了され、科学の楽しさを誇大妄想してしまったがゆえに入班してしまった諸君も多い。 ちなみに、正式名称は「ベロウソフ・ジャボチンスキー反応」(BZ反応)。
金属塩と臭化物イオンを触媒としてマロン酸(HOOC-CH2-COOH)を臭素酸塩によりブロモ化するとき、
臭化物イオンにより、溶液中の臭素酸塩が「亜臭素酸」、「次亜臭素酸」、「臭素」と徐々に変化していく。
その各過程によって、溶液が酸化型になったり還元型になったりするため、触媒として存在している金属イオンが
酸化還元反応を起こして、溶液が呈色する。
セリウム塩(セリウムはライターの石などに用いられている)を触媒とすれば「無色」と「黄色」の間を変化し、
フェロイン(鉄のフェナントロリン錯体)を触媒とすれば「赤色」と「青色」の間で変化する。
尚、化學班では、欲張って、セリウム塩もフェロインも入れているため、
「緑色」→「青色」→「紫色」→「赤色」→「緑色」という、なんとも贅沢な振動反応に仕上がっている。ちなみに、シャーレのような
浅い容器で行った場合、不思議な渦巻き模様が色を変えながら動くという振動反応が見られる(スパイラルウェーブ)。